面接に通る「職務経歴書」の書き方【インフラエンジニア編】IT業界職種別・職務経歴書の書き方(5)(1/2 ページ)

職種別に、職務経歴書・自己PRのサンプルを紹介。それぞれのポイントを、キャリアコンサルタントが解説します。

» 2012年06月27日 00時00分 公開
[江口遼DODA ]

インフラ運用・保守エンジニアの採用動向

 クラウドビジネスやアウトソーシングビジネスの拡大から、運用エンジニアに対する採用ニーズが高まっています。一方、キャリアカウンセリングの現場では「運用ばかりをやってきたので、自分にはスキルがありません……」という相談をよく聞きます。

 「保守の経験/監視業務だけしか経験がない=スキルがない=キャリアアップができない」

 そう考えているエンジニアが多いようです。

 ですが、運用や保守のエンジニアが転職で評価されないというのは、思い込みです。経験やスキルの評価は、採用を検討する企業がするものです。自分で“自分はスキルがない”と決めつけてしまってはいけません。

 まず自分が何をやってきたかをちゃんと整理し、その結果を基に、今後どうしていきたいかを考える方が建設的です。それができる運用・保守エンジニアは面接にも受かり、自分の目標を実現させています。

 整理のためにすべきことはただ1つ、「詳しく職務経歴を書き出す」ことです。

面接に受かる運用・保守エンジニアはここが違う!

 面接に合格するために重要なのは、「自身の経験を踏まえて」「何ができるか」を具体的にアピールすること。そのためには、経験を自身で把握する「自己認知」ができているかどうかがポイントです。自己認知ができているエンジニアの職務経歴書には、大きく下記のような特徴があります。

1.自分の経験してきた業務を、具体的に書き出している

 運用してきたシステムはIDCでしょうか、キャリアのネットワークでしょうか。それとも企業の情報システムでしょうか。そのシステムを運用する上で気を付けなければいけなかったことは何でしょうか。 システム構成や、使っていた技術要素は何でしょうか。運用チームの中で、あなたはどのフェイズから参加して、どんな役回りをしていたのでしょうか。

 一言で「運用」といっても、その中身は千差万別です。まずはどんな小さなことでも書き出して、これまであなたがやってきたことを全部洗い出しましょう。

2.運用・保守業務の中で工夫した点・改善した点を整理できている

 1.の内容に関連しますが、企業が評価するのは、職務経歴書に記載されている「経験の羅列」ではなく、「その経験の中で、どんなことを考えて仕事をしてきたか」です。

 例えば、「数多くのトラブルシューティングに対応してきた中で、そもそもどんな構成だとトラブルが起きやすいのかを考えるため、システム構成図や設計書を読み解き、改善のフィードバックをしてきた」という人は、設計や構築業務にその経験を応用させることができる人でしょう。「ログを収集するために、shellスクリプトを独習してプログラムを作り、処理を自動化させた」という人は、状況に応じてスクリプト言語も使える人と見なされます。

 また「ユーザーからの問い合わせ対応の効率を上げるためにFAQサイトを立ち上げ、過去の事例を検索できるようにした」という人や「運用ドキュメントが古い上にチームメンバーが未経験者ばかりだったので、手順書を一から作り直した」という人は、運用フローの改善を進められる人??となります。

 工夫した点、改善した点を振り返ることは、すなわち「自分で気付いていないスキルを洗い出す」ことです。

3.この先、どういう人になりたいか、そのために何をしているかがはっきり書かれている

 1.2.ができている人は、これまでの仕事を振り返った上で、「自分に何ができるか」を具体的にイメージできるようになっているはずです。これらを踏まえて、「今後、自分がなりたい姿を実現するために何が必要か」を考え、自分なりにアクションを取ることができている人は、その能動性の高さや課題意識の高さを、高く評価されるでしょう。

 これら3点を意識した職務経歴書を書くことで、同時に「面接で何を伝えればいいか」もイメージできるようになります。伝える内容が自分の中でしっかり整理されていれば、面接でも自信を持って話ができるようになるでしょう。堂々と話をする様子に企業も好印象を持つようになり、面接にも受かりやすくなります。

インフラエンジニアの職務経歴書:ワンポイント・アドバイスまとめ

● 提出日

 提出日は、西暦に統一しましょう。

● 職務経歴

 技術職以外の経歴に関しても、部署名まで必ず記載しましょう。

● 生かせる経験・知識・技術

 応募する企業に合わせて強みを記載しましょう。「○○をしてきたため□□ができる」というように、過去のエピソードを根拠に書くと具体的なイメージを持たせやすいです。

● 取得資格

 応募する業界・職種に親和性の高い資格を記載しましょう。合格予定など、取得前の資格は記載しないようにしましょう。現在取得に向けて勉強中の資格があれば、「○○資格を×月取得に向けて勉強中」など、補足説明しましょう。

● テクニカルスキル

 どれくらいの経験内容なのかを、具体的な年数とコメントで記載しましょう。開発現場での経験がない場合でも、独学で習得中の技術があれば「独学で勉強中」と補足して記載しましょう。

● 職務内容

<プロジェクト名および業務内容>

 特にアピールしたいスキルが身に付いたと思えるプロジェクトに関しては、詳細をしっかりと書きましょう。経験の浅い方でも、具体的に自身の仕事の業務範囲を詳しく記載することが大事です。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。