シマンテック、アプリ単位でセキュリティ制御を行う「Symantec App Center」プライベートの情報はそのままに

シマンテックは10月16日、企業向けのモバイルアプリケーション管理(MAM)製品、「Symantec App Center」の提供を開始した。

» 2012年10月17日 18時50分 公開
[高橋睦美@IT]

 シマンテックは10月16日、企業向けのモバイルアプリケーション管理(MAM)製品、「Symantec App Center」の提供を開始した。モバイルデバイス単位ではなく、その上にインストールされるアプリケーションやコンテンツ単位でポリシーに基づく制御を行えることが特徴で、個人のプライベートな情報には手を付けず、仕事に関連する重要な情報を保護できるという。

 Symantec App Centerは、近年目覚ましい勢いで普及しているモバイルデバイスを、ビジネスシーンで安全に利用できるよう支援することを目指している。エージェントなどを導入することなく、アプリ単位でポリシーを適用することで、「セキュリティを担保しつつ、アプリを利用して生産性向上を成し遂げる」(同社 プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャーの金野隆氏)。

 Symantec App Centerは、企業専用のアプリケーションポータルとなる「エンタープライズアプリケーションストア」と、そのバックエンドでアプリケーションやコンテンツにポリシーを設定する「Symantec App Wrapping」という技術で構成される。

 従業員に配布するアプリをエンタープライズアプリケーションストアに登録する際にポリシーを設定すると、それがラッパーライブラリとしてアプリ本体を包み込み、端末への配布後もきめ細かく制御を行えるようにする。コンテンツ(データ)については、ポリシー制御可能な専用ビューワとともに配布する仕組みだ。

 金野氏は、アプリ個々にサンドボックス機能を埋め込む方法に比べ、「ソースコードにアクセスすることなく手軽にポリシーを設定でき、しかも再ビルドを行うことなくポリシーを柔軟に変更できることが特徴だ」と説明した。

 ポリシーでは、データの暗号化の有無や認証要求、外部アプリとの連携制限やコピー&ペーストの可否といった事柄を設定できる。ほかに、SDカードなどローカルストレージの使用やJailbreakされた端末の検知、ネットワーク接続制限、アプリ終了時の消去や個々のデータ/アプリのリモートワイプなども制御可能だ。

 なおエンタープライズアプリケーションストアはLDAPやActive Directoryとも連動でき、ユーザー/グループ単位でこれらポリシーを適用できる。管理者用コンソール側では、「どの端末にどんなアプリがインストールされているか」といった情報を把握可能だ。

 Symantec App CenterはSaaS形式で提供され、Standard Editionと、MDM機能が付属するEnterprise Editionの2種類がある。年間ライセンス価格は、Standard Editionが5300円、Enterprise Editionは9600円。シマンテックでは、より大規模なユーザー向けに、マルウェア対策機能も含めオンプレミスで運用できる「Mobile Management Suite」も提供し、ライセンス価格は1ユーザー当たり1万500円となっている。

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