インテルが「Crystal Forest」搭載のデータセンター向けSDNリファレンスプラットフォームを公開サービスプロバイダ支援も開始

インテルが、データセンター向け中期戦略の進捗を発表。具体的なリファレンスプラットフォームが公開されたことで、同社陣営の動きに注目が集まる

» 2012年10月18日 17時43分 公開
[原田美穂,@IT]

 2012年10月18日、インテルは同社が掲げるデータセンター向け中期戦略「Intel Cloud 2015」の進捗状況を発表した。

 インテルでは、2010年10月に「Cloud 2015」を打ち出し、データセンター向けの各種仕様の標準化を目指す非営利団体「Open Data Center Alliance(ODCA)」と、パートナー企業プログラム「Intel Cloud Builders」を立ち上げている(関連記事)。

 インテルとしては、クラウド環境を構成する各種技術要素を標準化することで、自社のXeon E5ファミリを中核とした汎用ハードウェアによるデータセンターを盛り上げたい考えだ。

インテル クラウド・コンピューティング事業本部 データセンター事業開発部 シニア・スペシャリスト 田口栄治氏

 今回の発表では、この中期戦略を構成する要素の1つとして、新たにSoftware-Defined Network(SDN)向けのリファレンスプラットフォームを公開した。リファレンスプラットフォームはXeonをベースとした次世代プロセッサである「Crystal Forest(コードネーム)」を使った構成になっている。Crystal Forestは、従来のXeonチップの特徴を踏襲しながら、パケット転送、アプリケーション、コントロール処理といった通信機能を実装したものになる見込みだ。

 このCrystal Forestをベースに「FM6700」シリーズのイーサネットスイッチなどを搭載したハードウェア構成に、Wind Riverの組み込み向けLinux上でOpenFlowなどのSDNソフトウェアスタックを搭載、さらにサードパーティ製アプリケーションを組み込んだものが、「Seacliff Trail(コードネーム)ネットワークリファレンスプラットフォーム」である。現在、検証中とのことだが早ければ年内にも正式に公開するという。これについては、「最初のリファレンスがこの構成というだけで、他のリファレンスプラットフォームを排除するものではない」(インテル クラウド・コンピューティング事業本部 データセンター事業開発部 シニア・スペシャリスト 田口栄治氏)とし、リファレンスプラットフォームの構成は今後も増やしていくという。

Seacliff Trailネットワークリファレンスプラットフォーム(記者発表時のプレゼンテーション)

 この他アップデートとして、「インテル・クラウド・ファインダー」サービスの開始がアナウンスされた。クラウドサービスプロバイダのリストがオンラインで確認でき、要件に応じたサービスプロバイダが選択できる。

 この他、田口氏は「Erasure Coding(消失訂正記号)をストレージに適用する動きが活発だ。廉価なストレージリソースプールによる分散ストレージのニーズも今後爆発的に増加すると見込んでいる」との展望を示した。この他には、2011年に完了したMcAfee買収の成果にも言及があった。ATOMチップなどを搭載したモバイル端末側でもこのMcAfeeのテクノロジを搭載し始めており、クラウドサーバ側のハードウェアと併せて「セキュアな接続環境が提供できる」(田口氏)としている。


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