AWS MarketplaceにSAP HANAが登場。パブリッククラウドを使ったスモールスタートビジネスへもHANA適用の門戸を開く
SAPジャパンは2012年10月22日、同社が展開するインメモリデータベースプラットフォーム「SAP HANA」(HANA)をベースにクラウド環境での利用を想定した「SAP HANA Cloud」計画を発表した。SAP HANA Cloudは、HANA環境向けのアプリケーションプラットフォーム「SAP HANA AppServices in SAP HANA Cloud」と、データベースとしてHANAを利用する「SAP HANA DBServices in SAP HANA Cloud」の2つで構成される。
SAP HANA AppServices in SAP HANA Cloudについては、第一弾として、NetWeaverをベースにしたアプリケーションプラットフォーム「SAP NetWeaver Cloud」の提供がアナウンスされた。SAP NetWeaver Cloudは、無料、無制限のライセンスを開発者向けに提供する。開発者向けライセンスはSAP NetWeaver Cloud Developer Centerで配布される。
一方のSAP HANA DBServices in SAP HANA Cloudについては、第一弾として、Amazon Web Services(AWS)上で展開する「SAP HANA Oneプラットフォーム」の提供を開始した。AWS Marketplaceから利用できる。
SAPジャパンの発表によると、AWSで提供されるSAP HANA Oneでは同社がアプライアンス製品として提供してきた「SAP HANA Platform Edition」フルバージョンと同等の機能を利用できるという。
SAP HANA Oneはインスタンスあたり60GBのRAMを搭載した環境となる。利用料金は1時間当たり0.99USドル(HANA Oneの利用料金)。
SAP HANA Oneでは小規模なデータセットを対象とした環境をクラウド上で数分で構築できる。構築後、すぐに本番環境に展開できることから、独立系ソフトウェアベンダやスタートアップ企業での採用を期待している。パーシステンスサービスを利用すれば、SAP Sybase ASEやSAP HANAにデータを蓄積できる。
従来のHANAにも機能強化が行われている。データベースの中にHTML 5やJavaScriptに対応したアプリケーションサーバを組み込むことで、アプリケーションレイヤを削減しデータ処理を高速化するという。
併せて、開発環境であるSAP HANA Studioも機能強化を行っている。データ処理ではSQLScriptを、ロジック制御ではJavaScriptを、UI開発ではHTML5を同一の開発環境下で実装できるようになった。SAP HANA Studioは、今後、モデリングやデバッグ作業の改善、チーム開発環境支援などのほか、リポジトリブラウザやプロジェクト管理機能の追加が予定されている。また、SAP HANA内でのネイティブソースコードリポジトリ追加も計画されている。
なお、今回発表となったSAP HANA OneでもSAP HANA Studioを利用できる。
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