では、具体的にサービスから展開可能な機能について、代表的な3つの機能を紹介する。
これらの機能は、VMテンプレートやサービステンプレート作成時に、マシン層のプロパティから設定できる。
ただし、通常のVMテンプレートから仮想マシンを展開した場合は、インストールできない。これらは一連の流れで作成したサービステンプレートの中で展開することで動作する。
「ロールと機能」は[OS構成]から設定する。インストールしたい項目にあらかじめチェックを入れておくことで、通常はOSインストール後に「サーバーマネージャー」の役割、役割サービス、機能の追加からインストールする機能をサービスから展開可能になる。ただし、「ロールと機能」からインストールするには、OSがWindows Server 2008 R2である必要がある。
次に、「アプリケーションの構成」では、SQL Serverデータ層アプリケーション(SQL DAC)、仮想アプリケーション(Server App-Vによる実装)、Webアプリケーション(IIS Web deploy対応パッケージ)の3つを構成できる。例えば、SQL DACであれば、SQL Server Management StudioからSQL Serverのアプリケーションのパッケージをライブラリに保存しておき、サービステンプレートから呼び出すことでデータ層のアプリケーションを自動化できる。
アプリケーション構成はアプリケーションプロファイルとして保存可能である。また、あらかじめこれらの設定を構成したアプリケーションプロファイルを作成し、そのプロファイルから設定することも可能だ。
「SQL Serverの構成」では、インストール展開するためのパラメーターをあらかじめ入力しておくことで、SQL Server 2008 R2の自動展開が可能になる。こちらのパラメーターもアプリケーションの構成と同様に、SQL Serverプロファイルとして保存可能だ。また、SQL Serverプロファイルをあらかじめ作成しておき、指定することも可能である。
ここまで紹介してきたようにさまざまな機能を展開できるが、ここでは一例として、SharePoint Server 2010をクラウド環境に展開する方法を紹介しよう。
SharePointの標準的な構成はWebサーバとDBサーバの2層構造だ。
SharePoint Server 2010を展開するアプリケーションサーバ、SQL Server 2008 R2を実装するデータベースサーバの2層構成による展開をサービステンプレートから実行する。
SharePointの展開は以下のような手順となる。
サービステンプレートを用いれば、上記1〜4のステップを一気に行える。5に関しては、サービス展開後に手動でインストールを行う必要がある。
次項ではデータベース層であるSQL Server 2008 R2をインストールする上で、必要なサービステンプレートの構成について記載する。
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