エクスプローラの一番左には、常に[ファイル]メニューが表示されているが、ここからはよく使うフォルダを開いたり、コマンド・プロンプトやPowerShellを起動したりできる。単にcmd.exeやPowershell.exeを起動するのではなく、現在選択もしくは表示されているフォルダがカレント・フォルダとして設定される。Windows 7の場合の、[Shift]キーを押しながらフォルダ名をフォルダ名を右クリックして、ポップアップ・メニューから[コマンド ウィンドウをここで開く]ことに相当する。
クイック・アクセス・ツール・バーとは、エクスプローラの一番左上に表示されている作業用のアイコンのことである。デフォルトでは[プロパティ]と[新しいフォルダー]アイコンだけが表示されているが、カスタマイズしてほかの項目も表示できる。なお、ここにあるツールは[Alt]+[1]や[Alt]+[2]、……のように、[Alt]キーと数字キーですぐに呼び出せる(左端のものから順番に1、2、……と割り当てられている)。
元々Microsoft Office(Office 2007)で導入されていたクイック・アクセス・ツール・バーだが、Microsoft Officeと違い、Windows 8の場合はカスタマイズの自由度はあまりない。アイコンの並びは固定的であり、後から追加したアイコンは必ず右端に並ぶようである。必要なら全部削除してから並べたい順番に追加すればよいだろう。
上の画面で分かるように、あらかじめ用意されているアイコンは6つだけだが、リボン・バーに並んでいるさまざまなアイコンを右クリックして[クイック アクセス ツール バーに追加]を実行すれば、右端に追加できる。
不要になったアイコンは、ツール・バー上のアイコンを右クリックして、ポップアップ・メニューの[クイック アクセス ツール バーから削除]を実行すれば削除できる。
Windows 8のエクスプローラでは、ファイル・コピーの機能が改良され、コピー状態のより正確なモニタやコピーの一時中断/中止、複数コピー時の確認方法の改善などが行われている。
ファイルのコピーを始めると、次のようなダイアログが表示される。
右上に一時停止ボタンがあるのが新機能である。これをクリックするとコピーを一時的に停止できる。大量のファイルや非常に大きなファイルをコピーしているときにこれを押せばコピー作業が一時的に停止し、ほかのアプリケーションでコピーに要するリソース(ディスクやメモリ)を利用することができる。また[詳細情報]をクリックすると、次のように、詳細なコピー状況が表示される。
この画面では、瞬間的なコピー速度だけでなくその履歴も確認できる。例えばリモートのファイル・サーバ上に置いた大きなファイルをローカルへコピーさせてこの状況をモニタすれば、簡易的ながらネットワークの速度をチェックできるし、ローカルのディスク上同士でコピーさせれば、ディスクの性能を簡単にチェックできる。大きなファイルを作成するにはTIPS「巨大なサイズのファイルを簡単に作る方法」の方法を使うとよいだろう。
ところでファイルのコピー中に別のコピー作業を開始すると、次のように複数のコピー・セッションがまとめて表示されるようになっている。ただし同時にコピーさせると当然コピー速度が低下するので、必要なら先ほど解説した一時停止機能を使って、どちらか先に終わらせるとよい。
ファイルをコピーするときに、コピー先にすでに同じ名前のファイルが存在すると、次のようなダイアログが表示されるので、どうするかを選択する。
ここで[ファイルごとに決定する]を選択すると、従来とは異なる、次のような競合処理のためのダイアログが表示される。コピー元とコピー先の両方の詳細な情報が表示され、どちらを残すかを設定しやすくなっている。
今回はWindows 8で新しくなったエクスプローラについて見てきた。新しいタッチ・インターフェイスが搭載されたとはいえ、Windows 8はやはり従来のWindows OSの延長上の製品である。デスクトップ画面は重要だし、マウスやキーボードを使った操作が不要になることはないようだ。となると、やはりエクスプローラも使わざるを得ないだろう。Windows 8のエクスプローラは細かい点が多数改善され、より使いやすくなっている。ぜひ活用していただきたい。
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