エクシード、システム構築/設定を自動化する「cloudrop」を提供ChefとPuppetのいいとこどりで、特定のエンジニアに頼らないシステム作り

エクシードは2月13日、システム運用自動化フレームワークサービス「cloudrop(クラウドロップ)」の提供を開始することを発表した。

» 2013年02月14日 08時00分 公開
[@IT]

 エクシードは2月13日、システム運用自動化フレームワークサービス「cloudrop(クラウドロップ)」の提供を開始することを発表した。クラウドとオンプレミスの両方にまたがり、サーバの構築および設定作業を自動化するためのサービスで、「ChefとPuppetのいいとこどりをした」(同社 カスタマー・サクセス・グループ 事業企画担当の益子純一氏)という。

 cloudropは、一言で説明してしまえば、サーバやミドルウェアの設定・運用管理を支援するSaaS型のサービス、となる。しかしその背景に、開発者と運用者が協力してビジネスゴールを達成するという「DevOps」の考え方があることが特徴だ。サーバ数の増加にともなって増大している設定作業の負荷を、標準化、自動化によって取り払い、エンジニアの作業量を減らすとともに、属人的なシステムからの脱却を狙うという。

 同サービスは、エクシードの基盤上に構築されたサービスと、管理対象となるサーバや仮想マシンに導入する「エージェント」から成り立っている。

 管理者はまず、「Apacheのインストール」「Apacheの設定」といった作業手順を「タスク」として定義する。このタスクは、ChefのCookbookをサポートしている。

 次に、関連する複数のタスクをまとめ、アプリケーションやミドルウェアごとの「パッケージ」として構成する。最終的に、複数のパッケージを組み合わせ、目的とするシステム構築に必要な「バインダー」を作成する。いったん作成したバインダーは、「ライブラリ」に保管して共有可能だ。サーバ追加の必要があれば、GUI上で目的に応じたバインダーを選んでサーバに配布し、タスクを実行するだけで済む。

 この4ステップの手順を踏むことによって、Webサービスの現場でひんぱんに発生している「LAMP構築」「負荷分散設定」といった多様な作業を標準化、自動化し、必要に応じて再利用できるようにする。この結果、「誰でもシステムの構築や運用をできるようにし、特定のエンジニアに頼らないシステム作りを支援する」(益子氏)。

 「仮想化やIaaSの普及によって、サーバの構築自体は楽になったが、その複数のサーバに設定を入れる部分が自動化できていない。特に、MySQLのレプリケーション設定や負荷分散設定などはけっこうなスキルが必要とされる。この部分を自動化していく」(益子氏)。設定/デプロイ段階では忘れがちな、監視設定の投入作業も同時に行える。

 もう1つ、各種作業の結果を記録し、共有できることも特徴だ。cloudropでは操作ログは「カルテ」として保存される。このカルテには作業結果に加え、CPUやメモリ、ディスクなどのパフォーマンス変化情報も記録されるため、「誰がどんな作業を行った結果、どういった状況が発生したか」を解析することも容易だ。

 エクシードでは当初、IT企業やゲーム企業向けに、コンサルティングと組み合わせた形で個別にcloudropを提供していく。2013年夏をめどに、広く一般に提供を開始する予定だ。その際の料金は、RightScaleなどと同レベルの価格、1台当たり980円程度を想定しているという。また、独自のCookbook提供も検討している。

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