OpenStack FoundationのCOOであるマーク・コリエール氏が、東京で開催されたイベントでOpenStackの勢いと、そのオープン性について訴えた
「ベンダロックインにノーと言おう、自由にイエスと言おう」――OpenStack FoundationのCOOであるマーク・コリエール(Mark Collier)氏は3月12日、東京で開催されたOpenStack Day Tokyo 2013における基調講演の最後にこう呼びかけた。
コリエール氏は、OpenStackのコミュニティとしてのモメンタムをさまざまな数字で示して見せた。OpenStack Foundationの個人メンバーは約8500人に到達、「あなたもコミュニティの一員になることができる。誰もが発言権を持ち、(コミュニティのなかで)役割を果たせる」(コリエール氏)。コントリビュータ数はEssexでは約200人だったが、次期リリースのGrizzlyでは約500人に上っている。
4月に米オレゴン州ポートランドで開催予定のOpenStack Design Summitには、約2000人が参加予定だという。企業に牛耳られがちな一般のソフトウェア開発コミュニティに比べ、OpenStackでは多様性が維持されている。これが成功の秘訣の1つだとコリエール氏は話した。
コミュニティの力を象徴する出来事として、コリエール氏は、今年2月に、230ページ以上のOpenStack Operations Guideを、コミュニティメンバーが集まって5日間で書き上げたことを取り上げた。「コードをシェアするだけでなく、知識をシェアすることにも力を入れている」。
OpenStackはなぜ注目されるのか。コリエール氏はその理由を、OpenStackソフトウェア、関連ツール/サービス、パブリック/プライベートにまたがる市場/ユーザーで構成される、「プラットフォーム・エコシステム」の構築を推進しているからだと話した。この3つの要素の交差点に、最大の価値が生まれるという。
OpenStackの対象とする市場を、コリエール氏は「大きく考えている」。すべてのデータセンター、サーバ、ネットワーク機器、ストレージ、すなわち大まかにいえばIT全体を変えることが、OpenStackの目指すところだという。
プラットフォーム・エコシステムはマイクロソフト、アップル、フェイスブックなども構築してきたが、勝者が少ない世界でもあるとコリエール氏は話した。「3番目はアウトだ」。しかし、例えば2012年にAmazon Web Services(AWS)のデータセンターは9都市で展開されていた。同年、OpenStack採用クラウドサービスは10都市に存在し、2014年には40都市での展開が見込まれるという。さらにプライベートクラウドでの採用が進んでいる。
内在的なオープン性により、世界を巻き込んでいくこと、これがOpenStackの力の源泉だというのがコリエール氏のメッセージだ。
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