IBMは、System z向けにCOBOLアプリケーションを現代的な環境にマッチさせるための機能を盛り込んだ新しいコンパイラを提供する。
米IBMは5月17日、メインフレーム「System z」向けのコンパイラ「IBM Enterprise COBOL for z/OS」の新バージョンを発表した。COBOLを使ったビジネスクリティカルアプリケーションをWebやクラウド、モバイルなど現代のインフラに対応させ、シームレスかつ効率的なサービス拡張を支援する。
IBMによると、現在でも新しいエンタープライズアプリケーション機能のほぼ15%はCOBOLで書かれており、ATMの取引や旅行予約、保険金の請求など日常生活の多くの場面でCOBOLが使われている。金融や小売りなどの業界全体で使われているCOBOLコードは2000億行に上るという。
こうした現状の中で、パフォーマンス向上と主要アプリケーションの現代化、生産性向上のためには適切なフレームワークが不可欠だと同社は指摘。「IBM Enterprise COBOL for z/OS」を利用すると、アプリケーションのパフォーマンスが10〜20%向上することが示されていると説明する。
新バージョンとなる5.1は6月末までに登場予定で、IBM Customer Information Control System(CICS)、Information Management System(IMS)、DB2ソフトウェアの各最新バージョンに対応する。
新機能として、Java 7やUTF-8のサポート、デバッグ機能の強化、無制限のテーブルとグループのサポートを盛り込んだほか、z/OS System Management Facilities(SMF)トラッキングのサポートも刷新されており、サブキャパシティトラッキングを実装しているユーザーの管理者負担を軽減した。「z/OS XML」パーサーではXMLドキュメントのコントロールを強化し、運営コストの削減を図っている。
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