ヴイエムウェアが発表したクラウドサービスに関する最小限の事実:vCloud Hybrid Serviceを第3四半期に米国で提供開始
米ヴイエムウェアは5月21日(米国時間)、クラウドサービス「vCloud Hybrid Service」を2013年第3四半期に米国で一般提供開始すると発表した。アジア太平洋地域などには2014年にデータセンターを展開するという。
米ヴイエムウェアは5月21日(米国時間)、クラウドサービス「vCloud Hybrid Service」を2013年第3四半期に米国で一般提供開始すると発表した。これはいわゆるIaaSだが、Cloud FoundryによるPaaS機能も提供される。本記事では、同日にヴイエムウェアが実施したWebキャストなどの情報に基づき、その概要を要約してお伝えする。
社内クラウドとクラウドサービスで、同じアプリケーションをコード変更なしに、同一のガバナンスプロセスで使えるようにすることが目的
- vCloud Hybrid Serviceは6月初旬にアーリーアクセスプログラム(早期導入プログラム)を提供開始、2013年第3四半期に米国内のデータセンター4カ所から一般提供を始める。アジア太平洋地域など、米国外での展開は2014年に提供開始を予定する。Webキャストでは、米国外の展開に、パートナーの(データセンター)リソースも活用するというコメントがあった。ヴイエムウェアの販売パートナーは、vCloud Hybrid Serviceを販売することもできる。
- 同サービスには2つの選択肢がある。1つは「Dedicated Cloud」、つまり顧客専用の物理サーバを割り当てる形態、もう1つは「Virtual Private Cloud」で、こちらは一般的なIaaSと同様だが、顧客ごとに仮想ネットワークセグメントが作成され、顧客の拠点とVPN接続される。
- 「料金体系はシンプル」というが、これはある程度のリソース利用権を含む基本利用料金を設定していることを指しているようだ(つまり基本利用料金はリソースパックのようなもの)。これに、超過利用分の料金が上乗せされる。最低契約期間はDedicated Cloudで12カ月、Virtual Private Cloudで3カ月。
- vCloud Hybrid Serviceは、それだけをIaaSとして利用することもできるが、サービス名からも分かるように、既存のVMware vSphereユーザー組織にとってハイブリッドクラウドの構築がしやすい点が最大のセールスポイントだ。vSphereを使った社内プライベートクラウド上で運用されている仮想マシン群を、少ない手順で移行できる。あるいはクラウドサービス上に構築した新しいアプリケーションを、VPN経由で社内プライベートクラウド上のデータベースなどと容易に接続できるといった点が特徴。社内クラウドとvCloud Hybrid Serviceは、vSphereクライアントおよびvCloud Connectorプラグインで統合管理できる。
- アプリケーションなどは、VMware vSphere用に認定されたものがそのまま利用できる。SAP HANAを月額課金で利用できるのは、vCloud Hybrid Serviceが最初で唯一のクラウドサービスだという(Amazon Web Servicesが従量課金で提供しているのはHANA One)。
- VPN接続はIPsecとSSL VPNが利用可能。特にSSL VPN接続は、vCloud Connectorから2、3アクション程度で構築できる。
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