Windows 8.1(Preview版)向けのアプリでは、[検索]チャームによる検索機能は基本的に使わなくなった。その代替手段とは? 既存のアプリはどう動作するのか?
前回は、Win 8.1アプリにおける大きな変更点である「ビュー状態の廃止」について詳しく説明した。今回はもう1つの大きな変更、検索コントラクトの廃止について見ていこう。
本連載では、前回と同様に、次の略称を使用する。
なお、本稿で示すC#のサンプル・コードは、VirtualBox上で64bit版Windows 8.1 Pro Previewを動かし、Visual Studio Ultimate 2013 Previewを使って動作を確認した。
それでは、アプリの計画に関わる大変更の2つ目に入ろう。
Win 8.1ストア・アプリでは、検索コントラクトを使わない。正確には、検索コントラクトは残っているのだが、Win 8.1ストア・アプリではもう使わない。代わって、アプリ内に検索ボックスを置く。これは、検索機能を提供しているアプリにとっては、大きな変更だ。
従来の検索コントラクトを利用したWin 8ストア・アプリでの検索体験は、次のようなものだった。
上の3.の状態では、[検索]チャームが表示されたままだった(次の画像)。そのため、次々にアプリを切り替えて検索することもできたのである。
ところが、Win 8.1では、[検索]チャームに検索アプリ一覧が表示されなくなる。次の画像の左のように、検索ボックスの上に[すべての場所]というドロップダウンがあるだけだ。この状態で検索語句を入力して検索を実行すると、ローカル・ファイルの検索とBing検索の結果が合わせて表示される。[すべての場所]ドロップダウンを展開してみても、[ファイル]や[Webイメージ]といった選択肢があるだけで、アプリを指定した検索はできなくなる(次の画像の右側)*1。
*1 これは推測だが、「検索」に対して多くのユーザーが望んでいるのはWeb検索であって、アプリに検索させたいというニーズは少なかったのであろう。製品版で変わる可能性もなくはないが、次で説明するSearchBoxコントロールを出してしまったからには、検索コントラクトとの二重実装を強要することは考えにくい。
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