住所録の管理にExcelを使用することは多い。この住所録を使って、一斉にメールを送信したいような場合、Excelで保存された住所録のデータをOutlookの連絡先に取り込むと便利だ。
対象ソフトウェア:Outlook 2010 / Outlook 2013
メールや住所録、予定表(スケジュール)、仕事リスト(ToDoリスト)などといった個人用の情報を、Outlookで統合的に管理している人も多いのではないだろうか。その一方で、取引先や顧客などの住所録情報を複数で共有するために、Excelで管理している企業も少なくない。場合によっては、取引先の住所録情報などをOutlookとExcelで二重管理していることもあるだろう。
また、ほかのメールクライアントからOutlookに住所録データ(メールアドレス)を移行する際に、直接データをエクスポート/インポートできなくても、多くのメールクライアントが対応しているテキスト形式でエクスポートしてから、Excelで整形、Outlookでインポートするといった手順が使える。
Outlook 2003までは、Excelで保存された住所録データをインポートする機能がサポートされていた(TIPS「Excelで管理している住所録をOutlookの連絡先にインポートする」参照)。ところがOutlook 2010では、取り込むシートのデータ範囲の名前をあらかじめExcel 97-2003で事前に定義しておかなければならず、Excel 2010で名前を定義してもデータのインポートが行えない。さらにOutlook 2013では、Excel 97-2003からのデータのインポート自体がサポートされなくなっている。それでもExcelで一度、インポートするデータをCSV形式に変換しておけば、Outlook 2010/2013でデータのインポートが可能だ。そこで本稿では、Excelで管理している住所録をOutlook 2010/2013に取り込む手順を紹介する。
Outlook 2010では、データのインポート形式としてExcel 97-2003をサポートしているものの、Excel 97-2003を使ってインポートしたいExcelシートのデータ範囲に対して、事前に「名前」を定義しなければならず、別途、Excel 2003が必要になり現実的ではない(既にExcel 2003で名前の定義が行われたExcelシートならば、データのインポート機能で読み取ることが可能)。
またOutlook 2013の場合、データのインポート機能で対応しているデータ形式がOutlookデータファイル(PSTファイル)またはテキストファイル(カンマ区切り)に限られており、Outlook 2010まで対応していたExcel形式はサポートされていない。
そこでOutlookに取り込む前に、Excel 2010/2013で取り込みたいデータをカンマ区切りのテキスト形式(CSV形式)に変換して保存しておく。その際、不要な列がある場合でも、Outlookでインポートする際に読み込む列が指定できるので、そのままCSV形式で保存すればよい。ただし名前については、「姓<半角空き>名」となっている場合(英語、日本語に関わらず)、Outlookでデータをインポートした後、姓と名が入れ替わってしまうので注意が必要だ。Excel上で、姓と名の間を全角空きにする、「"姓, 名"」の形式(姓と名をダブルクォーテーションではさみ、姓の後に「,(カンマ)」を付ける)にする、事前に姓と名を別の列にするといった加工をしておくとよい。
Outlook 2010/2013を起動し、カンマ区切りのテキスト形式のデータをインポートする。Outlookの[ファイル]メニューを選択し、[開く]−[インポート](Outlook 2010)/[開く/エクスポート]−[インポート/エクスポート](Outlook 2013)をクリックする。[インポート/エクスポート]ウィザードが起動するので、「他のプログラムまたはファイルからのインポート」、[テキスト ファイル(カンマ区切り)」を選択していく。
次の画面でインポートするファイルを選択し、オプションを選ぶ。
次にインポート先のフォルダとして「連絡先」を選択する。「以下の処理を実行します」の画面では、読み込むテキストファイル名を確認し、チェックボックスをオンにしてから[フィールドの一致]ダイアログを開き、インポートするデータの項目(値)と、Outlookの連絡先のフィールドが正しく対応するように設定を行う。
[フィールドの一致]ダイアログでは、インポート元の項目名(値)が左側に、インポート先のフィールドが右側に一覧表示される。ここで、インポート元データの値のどれが、Outlookのフィールドに対応するのか、ドラッグ&ドロップによって設定していく(名前など幾つかのフィールドは折りたたまれており、「+」をクリックすると、姓と名などさらに細かいフィールドが現れる)。インポート元データの1行目が自動的にフィールド値として扱われるので、1行目には「名前」や「メールアドレス」/「電子メール」などの項目名を入れておくとよい。また項目名が2行目以降にある場合は、[フィールドの一致]画面の[次へ]ボタンで該当する項目名まで進めればよい。なおOutlook 2013では、項目名が2行目以降にあるとフィールド値が文字化けすることがあるようだ。このような場合でも対応するOutlookのフィールドにドラッグ&ドロップすれば、問題なくデータが読み込まれる。
[A]
データのインポートが完了したら、Outlookの[連絡先]をクリックする。読み込まれた住所録が追加されているはずだ。
Outlook 2003までは、Excelから直接インポートができたが、Outlook 2010/2013ではExcel上での整形やカンマ区切りのテキスト形式への変換などの作業が必要になり、工数が増えている。しかしこの手順を覚えておけば、前述のようにほかのメールクライアントからの移行などにも応用できるだろう。
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