日本ストラタステクノロジーは2013年11月12日、クラウド環境向けに高信頼性/高可用性技術を提供していく方針を明らかにした。
日本ストラタステクノロジーは2013年11月12日、クラウド環境向けに高信頼性/高可用性技術を提供していく方針を明らかにした。従来提供してきたハードウェア製品だけでなく、2012年に買収したマラソンテクノロジーズの技術などを活用したソフトウェアベースの高信頼性ソリューションを提供し、「仮想サーバにおいても高い可用性を実現していく」(米ストラタステクノロジー 副社長 チーフマーケティングオフィサー ナイジェル・ダッソー氏)。
現在、IT環境は、ビジネスニーズへの柔軟な対応やコスト削減などを背景に、急速にクラウドコンピューティングへとシフトしつつある。その中で注目されているのが、「OpenStack」をはじめとするクラウド基盤ソフトウェアと汎用サーバを組み合わせたクラウドだが、そのアーキテクチャは可用性を考慮した設計になっていないとダッソー氏は指摘した。
「クラウドのメリットが認識されている一方で、ハードウェアの故障などによるクラウドダウンへの懸念も根強く存在する。これを解消するためにわれわれは、『Software Defined Availability(SDA)』を提供していく」(ダッソー氏)。
同社はこれまで、インテル Xeonプロセッサに独自の「Stratus VOS」を組み合わせた無停止コンピュータ「ftServer」など、ハードウェアベースの高信頼性システムを提供してきたが、今後はクラウドという新しい環境向けに、ソフトウェアを活用して、オンプレミスで運用してきた基幹システム並みの高信頼性、高可用性を提供していくという。
SDAとは、「これまでハードウェア技術を用いて実現してきた『Always-on』を、ソフトウェアでも実現するものだ」とダッソー氏は説明。ゆくゆくは、ミッションクリティカルで100%の可用性が求められるのか、そうでもないのかなど、アプリケーションのニーズに応じて、適切なときに適切な可用性を実現していくと述べた。
この実現に向けてストラタスでは、2つのソリューションを提供していく。1つは、買収したマラソンテクノロジーズの高可用性ソフトウェア「everRun MX」を活用した「everRun Enterprise」だ。これまでストラタスが提供してきたコンソールや監視機能などを組み合わせ、物理環境だけでなく仮想環境に対しても無停止システムを実現するもので、2014年第1四半期にリリースする予定だ。
もう1つは、OpenStackに高信頼技術をソフトウェアとして組み込むものだ。正式なリリースはこれからだが、コントロールプレーンとアプリケーションワークロード、双方に高可用性を提供する。ニーズに応じて、仮想マシンごとに適切な可用性レベルを適用することも可能になるという。これを実現するために、Software Defined Network(SDN)製品を提供しているACCESSなどのパートナーとも連携。クラウド基盤の高信頼化を図ることで、まだ立ち遅れている基幹系システムのクラウド移行を後押しするという。
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