OpenStack Summit Hong Kongの注目セッションの情報、OpenStack Havanaの新機能を紹介します。
日本仮想化技術のたまおきです。
「OpenStack Summit Hong Kong」の視察のため、11月上旬に香港に行ってきました。密度の濃い4日間でしたが、良い経験でした。来年(2014年)の5月にアトランタでOpenStack Summitがありますので、読者の皆さんと行きたいですね。
今回は2013年11月5〜8日に香港で開催したOpenStack Summitについてお伝えします。OpenStack Summitは半年に1回、新バージョンをリリースした翌月に開催しています。Red HatやIBM、HPなどのOpenStack Foundationのプラチナパートナーによるキーノートと、開発者同士がOpenStackの機能実装についてディスカッションするデザインセッション、合計120を超える一般セッションで構成されます。
OpenStack Summit参加中に筆者が気になったことが3つあります。
1つ目はOpenStack Communityメンバー向けに実施したユーザーサーベイの結果です。このサーベイはグローバルで集計したものですが、ホストOSの56%がUbuntu、Hypervisorの62%がKVM、という結果が公開されました。現在のOpenStackではUbuntuとKVMの組み合わせが標準構成といえます。
2つめはCanonicalとRed Hatのキーノートです。
CanonicalはUbuntuを支援している企業として有名です。OpenStack Foundationのプラチナパートナーの1社でもあります。CanonicalのキャリアグレードOpenStackの発表はテレコム企業でOpenStackの導入検討が進んでいることを再認識させられました。
CanonicalもRed Hatもキーノートの中でデプロイメントツールについて言及していることに興味を覚えます。CanonicalはJuju&MAASという自社のツールを紹介、Red HatはTripleOプロジェクトの紹介とプロジェクトへの取り組みを話していました。
Triple0はOpenStack-on-OpenStackの略で、Oが3つでTripleOだそうです。Triple0については、筆者の理解では、OpenStack上で稼働しているサーバ群(OverCloud)と、将来OpenStackで使用を予定しているサーバ群(UnderCloud)を、まとめてOpenStackで管理する仕組みです。
個々のサーバを管理しているだけでなく、ネットワークやアプリケーションのデプロイメントの設定も管理しているので、500台×500台の組み合わせを管理しているとも言えます。Triple0はベアメタルプロビジョニングやオーケストレーションの技術を活用して、下記の実現を目指しています。
CanonicalとRed HatはホストOSだけではなく、デプロイメントツールにおいても熾烈なバトルを繰り広げるのでしょう。
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