ミラクル・リナックスは2013年12月19日、オープンソースのデータベースである「PostgreSQL」に対応した「MIRACLE ZBX」パッケージを公開した。
ミラクル・リナックスは2013年12月19日、オープンソースのデータベースである「PostgreSQL」に対応した「MIRACLE ZBX」パッケージを公開した。同時に、MIRACLE ZBXとPostgreSQLを活用した統合監視システムの構築支援/保守サービスも開始している。
MIRACLE ZBXは、オープンソースの統合監視ソフトウェア「Zabbix」に独自の修正を加えた統合監視ソフトウェアだ。Zabbixとの互換性を維持しつつ、「日本企業向けに、安定版を長期供給する」(同社 エンタープライズビジネス本部長 鈴木庸陛氏)ことを念頭に置いて開発されている。
「『新しいモノをすぐに』ではなく、安定したバージョンを長く、しっかり、安心して使えるように提供している」(鈴木氏)。
具体的には、最大10年間のサポートを提供するほか、古いバージョンも含めたバックポート、細かなパラメーターまで含めたマルチバイト対応などを行い、テレコム業界など、品質や安定性を重視する用途向けに製品化している。また、Windowsのイベントログ対応やフィルタ機能など、日本企業からのニーズが高い機能については、本家Zabbixに先駆けて独自に実装してきた。
今回のPostgreSQL対応も、そうした国内企業からのニーズに応える中で実現されたものだ。PostgresSLQの商用サポートを長く提供してきたSRA OSSが、同社のパートナー制度「MIRACLE ZBX WORKS」に加わり、両社協力の下でMIRACLE ZBXとPostgreSQLのサポートサービスを提供する。
現在、本家Zabbixの最新バージョンは2.2だが、MIRACLE ZBXの現行バージョンは1.8/2.0をベースにしている。過負荷試験などを経た後、2014年3月頃をめどに、Zabbix 2.2ベースのMIRACLE ZBXをリリースする予定だ。さらに、2014年6月に予定している有償版の「MIRACE ZBX Enterprise Pack V2.2」は、PostgreSQL 9.3ベースとなる計画という。
なお鈴木氏によると、Zabbixには安定性の他に、スケールアウトにやや弱いという課題もあるという。Zabbixではデータの格納にオープンソースの「MySQL」を利用しているが、システムを拡張しようとする際、MySQLがボトルネックになることがある。同社では、複数のZabbixサーバに加え、Nagiosサーバからもデータを取得し、一括監視を行えるようにする「Hatohol」の開発を進めており、これが「いかに拡張性を実現するかという課題に対するシンプルな回答になる」(鈴木氏)としている。
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