OpenStack Days Tokyo 2014が開催された。会場で聞こえてきたのは、いま、まさにクラウドネイティブなアーキテクチャ、標準アーキテクチャが必要である、という意見だ。
2014年2月13〜14日の2日間、「OpenStack Days Tokyo 2014」が開催された。
基調講演ではOpenStackのファウンダであり、OpenStack COOのMark Collier氏が登壇、開発体制や直近の活動成果を語った。日本国内ではグリーやGMO、Yahoo! JAPAN、国立情報学研究所(NII)がOpenStack採用を公表している。特に、Yahoo! JAPANは2014年内に約5万インスタンスをOpenStackで構築・実稼働させる予定だという。
講演ではOpenStackの開発動向にも言及。Ironicによるベアメタルプロビジョニング、TripleOの実装の他、ユーザーがOpenStackで環境を構築した際のテストフレームワークの整備も2014年の重点領域であることを示した(関連記事:デプロイメントツールの充実、キャリアグレードOpenStack/OpenStack Havanaの新機能まとめ)。
講演後の質疑応答で、Amazon Web Services(AWS)に対する見解を求められると、「クラウドコンピューティング市場をけん引してきたリーダーはやはりAWSだ。しかし、今後3〜5年でOpenStackはAWSを凌駕する存在となるだろう。OpenStackはパブリッククラウドにもプライベートにも適用できるソリューションだ。例えば数人の規模の企業がOpenStackをベースとしたパブリッククラウドサービスを展開することも、今後は実際に可能になってくるだろう」とコメント。今後、クラウド間の連携が技術的関心事項になってきた場合には、各クラウド間でのインターフェースの標準化が必要になると考えられるが、これについては、「運用テストフレームワークの実装に関連した活動になるだろう」との見解も示した。
興味深かったのは、IaaSかPaaSか、といった議論について、「“X as a Service”という言葉は、物理環境の制約条件下の古い発想から生まれたもの。IaaSが標準化・共通化した場合には、PaaSなどといった違いを意識することなく自動化が可能な世界になる」との見解を示した点だ。OpenStackでは、従来のXaaSではなく、クラウドネイティブな発想による、純粋な自動化を検討していることを強調した。
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