モバイルワークスタイルはもはや幻想でなく実現可能な現実シトリックスが事業戦略説明会を実施

 シトリックスが、2014年度の事業戦略説明会を実施。同社代表取締役社長 マイケル・キング(Michael King)氏は今年の注力キーワードとして“モバイル・ワークスペース”を挙げた。

» 2014年02月19日 19時55分 公開
[大津心,@IT]

 シトリックス・システムズ・ジャパン(以下、シトリックス)は2月19日、2014年度の事業戦略説明会を実施。同社代表取締役社長 マイケル・キング(Michael King)氏は今年の注力キーワードとして“モバイル・ワークスペース”を挙げた。

EBC開設の意義が大きかった2013年

キング氏写真 シトリックス 代表取締役社長 マイケル・キング氏

 キング氏は2013年を振り返り、「世間の仮想デスクトップへの注目度が非常に上がった年でもあった。日本法人も15周年を迎え、念願の『エグゼクティブ ブリーフィング センター(EBC)』を開設するなど、非常に充実した年だった」と総括。

 ワールドワイドでは、マイクロソフトやグーグルとの協業を強化し、国内ではKDDIや日立などとのパートナーシップを強化したという。

 売上シェアは仮想デスクトップ市場(XenDesktop、XenClient)で31.3%に。NetScalerやCloudBridgeの売り上げは前年比80%増だったという。また、「Citrix Certified Expert-Apps and Desktop」や「Citrix Certified Professional-Networking(CCP-N)」といったシトリックス認定資格取得者も2400名にまで増加。「当社が日本で活動してきた15年間で、着実に成長してきている。パートナーや認定資格保持者など、当社を支えてくれる地合も醸成できている」(キング氏)。

 中でもキング氏が特に強調するのが「EBCの開設」だ。EBCは、同社の推進する“モバイルワークスタイル”を実際に体験できる場として、米国やインド、フランスなど世界4カ所に存在していた施設。東京のEBCは5カ所目で東アジア初となる。日本EBCは顧客に非常に好評で、来場者は約半年で1400名に達した。「当社のソリューションは営業が100の言葉で説明するよりも、実際に触ってもらうのが一番分かってもらえるもの。従来は、ある程度限られた見込み客に米国のEBCまで行って頂いていたが、東京に出来たことでよりその間口が広がったことは大きい」と強調する。

2014年のキーワードは4つ

 そして、同氏が2014年の注力キーワードとして挙げるのが、「Work Better」「Live Better」「カスタマーエクスペリエンス」「No 1パートナーに」の4つだ。「Work Better」は、同社が従来から訴え続けているモバイルワークスタイルの変革による働き方の変革だ。

キーワード シトリックスが2014年の注力分野に挙げた4つのキーワード

 同社では、2013年にモバイル(Mobility)に注力し、モバイル管理製品「XenMobile」やオンラインストレージ「ShareFire」などを投入、モバイルワークスタイルを実現するためのソリューションを拡充してきた。今年はさらに踏み込みモバイルワークスタイルを支える環境「モバイルワークスペース」のさらなる充実を目指すという。

 ここで言う環境整備には、業務をモバイル化するだけではなく、「業務環境の再設計」や「業務フローの最適化」も含まれる。例えば、在宅勤務制度の具体的な規約や評価方法などを研究・啓蒙していく。

 「モバイルワークスタイルは働き方の提案だ。在宅勤務や子育て/介護支援だけでなく、海外勤務や営業活性化なども実現できる。まずは当社自身がケーススタディとなるべく、モバイルワークスタイルを率先して導入。自社製品によるBYODやモバイルコラボレーションなどを進めた。その結果、BYOD社員対前年比55%増、残業時間対前年比16%減などを実現し、テレワーク協会主催の『テレワーク推進賞』の奨励賞を受賞した。例えば、先週の大雪の際も、当社の人事担当者が山梨県在住で通勤不可能となったが、当社のモバイルワークスペースを提供していたため、まったく支障なく業務を遂行することが出来た。このように、働き方を束縛するのではなく、自由を与えるソリューションを提供していき、ユーザーの『Live Better』に繋げていきたい。そのためのコンサルティングなどに力を入れていく」(キング氏)と意気込みを語った。

モバイルワークスタイルはもはや幻想でなく実現可能な現実

 そして3つ目のキーワードに挙げるのが「カスタマーエクスペリエンス」だ。同社では、カスタマーエクスペリエンスを向上させる製品として、Windowsアプリケーション配信ソリューション「XenApp 7.5」と仮想デスクトップサービス「XenDesktop 7.5」を発表した。

 XenAppは、PC向けのWindowsアプリケーションをモバイル化できるソリューション。最新バージョンの7.5では新たにCitrix HDX技術を採用し、アプリケーションをネイティブと同程度のパフォーマンスで利用でき、マルチタッチ操作も利用できるようになった。今回発表されたXenApp 7.5、XenDesktop 7.5は共に、従来から対応していたCloudStack、AWSに加え、新たにWindows Azureに対応予定。OpenStackについては現在のところ未定だという。

 キング氏は、「今年は午年、当社はスピードを重視して飛躍したい。モバイルワークスタイルは着実に浸透してきており、当社自身が実践している通り、もはや幻想や夢物語ではなく、現実に実現できるものだ。当社はこのことをしっかりと啓蒙していきたい」と語った。

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