「セキュリティ・キャンプ全国大会2014」、参加者募集を開始応募用紙を解析しないと応募できないクラスも

情報処理推進機構(IPA)は2014年5月16日、22歳以下の学生・生徒を対象とする「セキュリティ・キャンプ全国大会2014」の参加者募集を開始した。応募締め切りは2014年6月16日17時だ。

» 2014年05月19日 08時00分 公開
[高橋睦美,@IT]

 情報処理推進機構(IPA)は2014年5月16日、「セキュリティ・キャンプ全国大会2014」の参加者募集を開始した。

 セキュリティ・キャンプは、情報セキュリティに高い関心を持つ22歳以下の学生・生徒を対象に、4泊5日の合宿形式で高度なサイバーセキュリティ技術の習得機会を提供することで、次代を担うサイバーセキュリティ人材の育成を目指す取り組みだ。セキュリティ・キャンプ実施協議会とIPAが主催し、経済産業省が共催している。

 キャンプの背景には、たびたび指摘されている「情報セキュリティ人材の不足」がある。標的型攻撃やオンラインバンキングからの不正送金、不正ログインといった脅威が身近なものになり、対策が急務となっている一方で、2012年に公表された「情報セキュリティ人材の育成に関する基礎調査」報告書によれば、約2万2000人のセキュリティ人材が不足しているという。「IT人材白書2014」の調査結果を見ても、そのギャップは埋まったとは言えない。

 セキュリティ・キャンプはこうした状況を踏まえ、情報セキュリティ人材の育成の一端を担うべく、2004年から毎年開催されてきた。これまでに、実際にITセキュリティ企業に就職した技術者も含め、のべ438名のIT人材を輩出している。

 例年、セキュリティ・キャンプのカリキュラムは、共通講義や特別講師による講演、グループワークやCTF(Capture the Flag)などから構成されている。最も多くの時間を費やすのは、それぞれの興味に応じて選択する専門科目で、今回は「ソフトウェア・セキュリティ・クラス」「Web・セキュリティ・クラス」「ネットワーク・セキュリティ・クラス」「セキュアなシステムを作ろうクラス」の4つが用意される。

 IPAによると今回は、2013年度の「まだ見ぬ脅威を先取りし、防御を考えられる」というテーマをさらに強化。例えばWeb・セキュリティ・クラスでは、HTML5やFirefox OSといった進化の速い技術を扱う一方で、セキュアなシステムを作ろうクラスでは、アプリケーションよりも下のレイヤーに位置するシステムソフトウェアを取り上げる他、組み込みシステムやRaspberry Piをベースにした自作ルーター作りなど、コンピュータの深部に踏み込むためのゼミが用意されている。

 セキュリティ・キャンプ全国大会2014は2014年8月12日から16日まで、千葉県のクロス・ウェーブ幕張で開催される。日本国内に居住する22歳以下の学生・生徒が対象で、募集人数は約40名。参加費用は、宿泊費・交通費なども含め無料だ。応募締め切りは2014年6月16日17時となっている。

 なお、ネットワーク・セキュリティ・クラスについては、一定の技術力があるかを確認する意図で、「そのままでは読み出せない応募用紙」を正しく解析しないと応募できないようになっている。

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