米マイクロソフトが機械学習アプリ開発のための新しいクラウドサービス「Microsoft Azure Machine Learning」(Azure ML)を発表。7月からプレビュー版を公開する。
米マイクロソフトは2014年6月16日、過去のデータを分析して将来の出来事やトレンドを予測する機械学習アプリ開発のための新しいクラウドサービス「Microsoft Azure Machine Learning」(Azure ML)を発表した。7月からプレビュー版を公開する。
マイクロソフトによると、機械学習は検索エンジンやコマースサイトにおけるお勧め商品の提案、クレジットカード詐欺防止システムなど幅広い分野で適用されているが、企業が自社内に導入するためにはデータサイエンティストの採用や高額のソフトウェアライセンスなどが必要になり、実現できる企業はごくわずかだった。
Azure MLではそうした困難を克服するため、新しい分析ツールとXboxやBingなどの製品用に開発されたアルゴリズム、長年蓄積してきた機械学習の経験を組み合わせて使いやすいクラウドサービスの提供を目指す。マイクロソフトでは、データ分析を基に未来を予測し、さらには未来を変えられるアプリがわずか数時間で構築できるとしている。
具体的にはインフラなどの障害発生を予測して事前に防止したり、小売店が顧客データや天気予報などのデータを分析して次に売れる商品を予測したり、医療機関が患者のデータを分析してリスク診断や医療の向上に役立てるといったケースを紹介している。
また、Azure MLの早期プレビュー版を利用しているパートナーは、例えば通販サイトや実店舗での売り上げデータに基づいて次に売れそうな商品を予想する小売り業者向けソリューションや、大学キャンパス内の建物の障害をリアルタイムで検出し、電力消費の変化を診断できるソリューションなどの開発に取り組んでいるという。
Azure MLでは「ビッグデータ分析とIoT(モノのインターネット)、予測分析を組み合わせた新しいソリューションの開発が可能になる」とマイクロソフトは説明している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.