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» 2014年06月18日 18時00分 公開

信じてはいけない転職活動の都市伝説エージェント徹底活用法(5)(2/2 ページ)

[リーベル 田中祐介,@IT]
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4 職務経歴にはアピールとなる期間だけを書く

ウワサその4:職務経歴書にはアピールになる期間の経歴だけをピックアップして書き、それ以外は書かなくても良い

ウワサの真偽

 ウソとは言いきれませんが、私はお勧めしません。経歴に穴がある場合、読み手は「都合の悪いところを隠しているのでは?」と疑うからです。

 以前、全く違う業界で仕事をしていた場合などは、「書かなくてもいいかな」と思いがちです。しかしどのような仕事であっても、そこには何かしらのミッションがあり、そこで学んだことや達成したことなどがあるはずです。

 どんな仕事からでも、学び、成長できる人は、転職して新しい環境に身を置いたときにも、自力で立ち上がってくれるだろうという期待を相手に与えます。短くても何かしらの記載をしてほしいです。

 隠している箇所は、必ずといってよいほど面接で聞かれます。回答がしどろもどろになると、面接官はさらに突っ込んで聞いて来ますので、ますます回答が苦しくなり、本当にアピールしたいことを伝えられないまま面接が終わってしまうことも少なくありません。

対応法

 面接では、伝えたいことを伝えるためにも、職務経歴はできるだけ穴を開けることなく、記載をしてください。自分はアピールにならないだろうと思っていたことが、実は企業にとっては魅力的な経験だったりすることもあります。そういった観点からも、経験は余さず記載してください。

 ただし長過ぎる文章は好まれませんので(まとめる能力がないと思われてしまうことも)、どの辺りを厚く書き、どこはあっさり書くべきかについては、転職エージェントにアドバイスをもらってください。細か過ぎるもの(例: 派遣で短期間に複数社で働いたり、細かい空き期間があったり)は、ある程度まとめて記載しても構いません。

5 内定が出たらすぐ入社しなくてはならない

ウワサその5:内定が出たら、できるだけ早く働くように入社日を決めないと、内定が取り消される

ウワサの真偽

 ほぼ、ウソです。企業が内定者にできるだけ早く入社してほしいことは事実です。しかし、少しばかり入社を遅らせることで、内定そのものを取り消すような企業はそれほどありません。

 もちろん、ある特定の日までに入社することを前提に募集をしている場合もあります。プロジェクトの開始日が決まっていたり、既存社員の退職日が決まっていたり、ある日から一斉に研修を行うことが決まっていたりする場合です。

 しかし、そのような場合はあらかじめ募集条件に「○月入社が可能な方」と明示されていることがほとんどです。それが書かれていなければ、通常はある程度は企業側も融通をきかせてくれるものです。むしろ、前職の仕事を中途半端に投げ出してきたり、前職の疲れを残したままで転職して来られたりする方が、転職先にとってもよくない話です。

 ですから、内定が出たからといって、早く次の会社で働けるようにと焦って、ガムシャラにスケジュールを調整する必要はありません。きちんと引き継ぎができる期間を設け、また、疲れを残さないくらいの休息期間も取って、身も心もすっきりとした状態で次の会社で働き始めてください。

対応法

 応募前に、志望する企業ごとの募集緊急度を確認しておきましょう。その上で、どのくらいの時期に入社できるかを検討し、応募時に転職エージェントを通じて企業に希望入社日を伝えましょう。

 内定が出た後は、プロジェクトの状況などを加味して再度入社日を調整します。エージェントと相談し、エージェントを通じて企業と調整し、無理のない入社時期を決めましょう。

補足

 ただし、入社時期を調整できるといっても限度はあります。後任の育成をしたいとか、プロジェクトの終了まで携わりたいなどの理由で、半年、ときには1年も待ってほしいという人もまれにいますが、さすがに企業もそこまで寛容ではありません。その間に別の方を採用した方が良いと判断されます。

 内定から2カ月程度、よっぽどの事情があればもう少し先にもできますが、もし入社が内定から半年以上先になるようでしたら、適切な時期にあらためて応募し直した方がよいでしょう。

終わりに〜よりよい転職“活動”を

 5回にわたってお送りしました転職エージェント徹底活用法も、今回が最後です。連載という形での情報発信は、私にとって初めての経験でした。言葉足らずだったり、表現が拙かったりする箇所もあったと思いますが、根気強くお読みくださりありがとうございました。

 「エージェントの活用法を最初から知っていれば、もっと良い転職活動ができたのに」と仰る方に何度も出会ううちに、いつかはエージェントの利用マニュアルみたいなものを書かねばならないという思いが強くなってきていたときに、このような機会をいただきました。この記事が、皆さんが転職活動を進める際の一助になれば幸いです。

 全ての人が、自分に合った環境で、伸び伸びと生きていける社会になればと思いつつ、筆を置かせていただきます。ありがとうございました。

筆者プロフィール 田中祐介

田中祐介

東京大学大学院を修了後、中堅SIerを経てアビームコンサルティングに入社し、IT企画や構想策定から開発、保守・運用まで、IT領域全般に携わる。現職のリーベルには「一人一人のパートナー」になりたいという想いを実現するために転職。リーダーや採用担当として培った"長所を発見する力"と、SIer・コンサルティングファームの両方の現場感覚を知る強みを生かし、個人と企業がWin-Winとなるマッチングを目指す。


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