アップル「Aperture」開発中止でAdobe Creative Cloudに追い風は吹く?

アップルが自社開発してきた画像編集ソフトの開発を中止、Photos for OS Xへの移行を呼びかけている。Creative Cloudの新バージョンやPhotographyの値下げを発表したばかりのアドビも、プロユースのソフトを求めるユーザー向けのプランをアピールしている。

» 2014年06月30日 18時20分 公開
[鈴木聖子@IT]

 米アップルは2014年6月27日、プロ向けの写真編集ソフト「Aperture」の開発を打ち切ると表明した。ユーザーは新しい写真アプリ「Photos for OS X」に移行してもらう方針だと伝えられている。

 米メディア各社の報道によると、アップルは同日発表した声明で、「新しいPhotosアプリとiCloud Photo Libraryが登場し、写真を全てiCloudに保存してどこからでもアクセス可能になることに伴い、Apertureの新たな開発は中止する。OS X向けのPhotosが2015年に出荷された時点で、既存のApertureライブラリをPhotos for OS Xに移行できるようにする」と説明した。

 この発表を受けて米アドビシステムはApertureのユーザーに対し、同社の新サービス「Creative Cloud Photography」や、スタンドアロンアプリ「Lightroom」への乗り換えを呼び掛けた。

 Creative Cloud Photographyは、PhotoshopとLightroomを連携させた有料サービスで、デスクトップに加えてWebやモバイル端末経由で写真編集や管理などの作業ができる。

 アドは2014年6月18日に、Photoshop CC、Illustrator CC、Dreamweaver CC、Premiere Pro CCなど主要なアプリケーションの新バージョンを発表したばかりだ。6月18日発表時点のCreative Cloudのユーザー数は既に230万人を超えているという。

 アドビは「今後もiOSとOS Xプラットフォームへの積極的な投資を続け、iPhotoとApertureのユーザーが我々のリッチなソリューションに移行する手助けに力を入れる」と表明している。

 同サービスの料金は月間980円で、年間契約を申し込む必要がある。

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