チーム内で交わされる仕事の会話力は、学習で容易に向上できる。リーダーから働き掛けて、チーム内の基本的な意思疎通の力を高めよう。
メンバー間の意思疎通を良くするには、メンバー同士が絶えず情報を交換し合うことが大切です。もっとも、話の内容が要領を得ないものであったり、時機を失したものだったりしては、あまり効率の良い情報交換にはなりません。
情報交換の効率を高めるには、「短時間に、漏れなく情報を伝え合う」「質の高い情報を選ぶ」ことが重要です。これらは、リーダーの努力でレベルアップしていけます。現場で取り組めるものを見ていきましょう。
※この連載は、『ITエンジニアのためのチームリーダーシップ実践講座』(上村有子著)の第1章〜第3章を、著者と出版社の許可の下、一部修正して転載するものです。
メンバーが「短時間に」「漏れなく」情報を伝えられるか、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の場でチェックしましょう。ポイントは、「内容」「伝達方法」「タイミング」です。問題があれば、その場で指摘してあげましょう。
メンバーの中には、「自分は内向的な性格で、コミュニケーションが苦手」と思い込んでいる人がいるかもしれませんが、仕事で使う基本的なコミュニケーションと性格はあまり関係ありません。上に挙げた「型」を覚えて、置かれた状況に合った応答を選ぶだけで、十分漏れのない情報交換ができるはずです。
日常の付き合いや、カスタマーセンターでの応答では、相手に合わせて臨機応変に対応するスキルが必要になりますが、ビジネスの世界で発生する会話はだいたい限られているものです。「どうやって表現するか」より、むしろ「どうやって状況を正確に把握するか」が重要です。
会話の「内容」「伝達方法」「タイミング」をチェックする
状況を適切に把握するためには、よく観察して、その場にあるものからサインを正確に読み取らなくてはなりません。言葉以外にも、キャッチすべきサインはたくさんあります。重苦しい空気やあきれ果てている雰囲気、浮き足立った感じなど、全体のムードも感じ取る必要があります。また、目の前の相手がどんな気分かは、目元・口元を見れば、おおよそ分かるはずです。
状況は、意識していない人には見えません。これは、見る能力がないということではなく、単に必要なことに気付いていないだけです。観察眼に欠けたメンバーには、状況把握の重要性を指摘し、自覚してもらいましょう。
状況把握を意識してもらう
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