前章で2つのビジネス事例を紹介した通り、欧米ではビジネスにオープンデータを活用する動きが既に広がりを見せています。オープンデータの活用促進には、利用者にとってさらに使いやすい形式でデータを公開することが一つの鍵と考えられ、各国政府は機械判読可能性(マシンリーダブル)を追求したデータ形式であるLinked Open Data(LOD)の提供を推進しています。
LODは「機械がデータの意味を理解できる」「データにユニークな識別子(URI)が付与され、外部のデータとの参照関係が定義されている」という性質を持つオープンデータです。LODを活用することで、組織の内外を問わず、データの横断的な検索や統合的な分析などが容易に行えるようになります。
LODがその真価を発揮するためには、政府がより多くのオープンデータをLODとして提供し、データの結び付きを広げることが重要です。英国のDATA.GOV.UKや米国のDATA.GOVでは既に多くのデータをLODにより提供していますが、日本国内においても、経済産業省や鯖江市などが提供を開始するなど、LODの普及の動きが見られます。
LODの作成や活用などに関する技術的な解説は今後別稿で詳述しますので、そちらを参照してください。
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