日本国内でも改正薬事法の施行により、Webアプリ・モバイルアプリの開発プロセスにも医療機器業界のルールが適用される。厳密なトレーサビリティが求められる中、ソフトウエア開発環境側での対応が進む。
日本IBMは2014年9月中旬を目処に、「改正薬事法(薬事法等の一部を改正する法律)」に伴う「ヘルスソフトウェア開発ガイドライン」に準拠したソフトウェア開発管理ソリューションを提供すると発表した。開発支援ツール「Rational Method Composer」「Rational Team Concert」をベースに、専用のテンプレートを提供することで、ガイドラインに準拠したソフトウェア開発を支援する。
JAHIS(保健医療福祉情報システム工業会)やJEITA(電子情報技術産業協会)が参加するヘルスソフトウェア推進協議会は、2014年11月に施行予定の改正薬事法に基づき「ヘルスソフトウェア開発ガイドライン」を策定、8月1日に公表した。テンプレートはこのガイドラインに準拠したもので、ソフトウェア開発の品質管理、リスク管理、開発プロセス、製品安全への対応を支援。ガイドラインの要求が、開発プロセス上どのように実現、運用されるかを確認できる対応表も提供するという。
改正薬事法は2014年11月の施行が予定されており、従来規制の対象外であったデバイス組み込みソフトウェア以外のヘルスケア向けソフトウェアに対しても、要件やトレーサビリティ、保守サポートに至るまでのプロセス管理が必要になる。
つまり、モバイルアプリケーションやWebサービスなどであっても「それ自体を医療機器として使用することを意図したもの」であればこの法規制の対象となり、医療機器と同様のプロセスを要求されることになる。
こうしたソフトウェアに対する規制は、米FDA(アメリカ食品医薬品局)によるものなどが先行しており、「Rational Method Composer」「Rational Team Concert」は豊富な対応実績があるという。
IBMでは、「このソリューションにより、ガイドラインに対する開発者の理解が促進され、ガイドラインに沿った品質の高いヘルスソフトウェアを迅速に提供できるようになる」としている。なお、テンプレートは組み込み機器開発プロセスのコンサルティングなどを手掛ける豆蔵と共同開発している。
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