ドイツに本社を置くEnterestは、一般企業を対象に、データ統合ツールおよび関連コンサルティングサービスを国内で展開する。同社と、その日本における代理店となっているアイエムが、8月7日に東京都内で説明した。
ドイツに本社を置くEnterestは、一般企業を対象に、データ統合ツールおよび関連コンサルティングサービスを国内で展開する。同社と、その日本における代理店となっているアイエムが、8月7日に東京都内で説明した。
Enterestは、通信事業者の課金データ処理支援をビジネスとしてきた企業。同社が2006年より提供しているソフトウェア製品「EDR Workbench」は多様なデータ形式に対応し、データ収集、同期化、抽出、変換、転送などの機能を提供、日本ではソフトバンクモバイルが採用している。同社はこうした機能が一般企業のBIおよびビッグデータアプリケーション用途にも適しているとし、データ統合/ETL/ESBのためのツールとして拡販する活動を始めている。
EDR Workbenchは、一般企業向けとしては、例えばTalendなどと競合すると、Enterest CEOのアンドリュー・タン(Andrew Tan)氏は話す。JavaではなくC++で書かれたソフトウェアであり、その高速性は通信事業者における実績が証明しているとする。
EDR Workbenchでは、SQL/NoSQLデータベース、XML、キー・バリュー・ストア、Hadoop、Salesforce.comやAmazon Web Services、ソーシャルサービスなど、多様なデータ形式/APIに対応し、データ統合や連携をカスタムプログラミングなしにグラフィカルなルール設定で実行できる。リアルタイム処理も可能。ユーザー企業は統合されたデータへのアクセスに独自のAPIを定義することもできる。
EDR Workbenchはライセンス体系の柔軟性も特徴だという。買い切りライセンスはTalendなどより安価で、自社運用あるいはクラウドサービスとしてのサブスクリプションライセンスも提供しているという。個人向けには、無期限に利用できるフル機能のWindows版を、無料で提供している。
タン氏は、一般企業のためのビッグデータ関連製品としてはEDR Workbenchが後発になることを認めながら、ビッグデータ市場はまだまだ始まったばかりだと話す。市場は混乱しており、どの製品がどのような役割を果たすかすら、顧客には十分理解されていない状況という。「Hadoopをやりたいという人はたくさんいるが、どうやったらいいか分からないということも多い」。こうした時期に必要なのは、個々の顧客のニーズに基づいて最適なソリューションを見い出すことであり、同社はコンサルティングサービスにも力を入れていくという。
アイエムは通信事業者や金融業界における自社の強みを生かしながら、さまざまな分野でパートナーを開拓し、EDR Workbench関連のビジネスを広げていきたいとしている。
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