「オムニチャネル時代の接客端末」発表、日本NCRタブレット活用でPOSを進化

日本NCRは9月2日、「オムニチャネル時代の接客端末」と同社が呼ぶRES MeXを発表した。新製品では店舗における接客の一連のプロセスにタブレットを活用。タブレットでPOSレジ機能を果たせるほか、商品マスタ/在庫情報検索などを容易に実行できるようになっている。

» 2014年09月03日 16時18分 公開
[三木 泉,@IT]

 日本NCRは9月2日、POSシステムにバックオフィス、さらにはCRM的な機能を統合する新たな店舗ソリューション、「RES MeX」を発表した。ハードウェアとソフトウェアを切り離し、一般的なタブレットにソフトウェアを導入することで、システムを拡張できるのも特徴。レシートプリンタやキャッシュドロワーを複数のタブレットやPOS端末で共有できるため、柔軟な構成が可能だ。

 日本NCRは、RES MeXを「オムニチャネル時代の接客端末」と表現する。新製品では店舗における接客の一連のプロセスにタブレットを活用。タブレットでPOSレジ機能を果たせるほか、商品マスタ/在庫情報検索などを容易に実行できるようになっている。さらに、顧客プロフィール/対応履歴、オンラインストアの利用状況、これらを含むビッグデータ解析結果などの情報を取り込み、顧客の嗜好や自社とのこれまでの関係を踏まえた接客で、顧客満足度を向上することを目指している。

RES MeXでは、これらの情報に透過的にアクセスできることがテーマ

 同社は、新製品がフィットする業務の一例として、百貨店の外商を挙げる。上得意客への対応は、その顧客の嗜好やニーズを熟知したスタッフが行ってきた。この顧客を別のスタッフが引き継ぐ場合に、これまでのスタッフに近いレベルの接客をしやすくなる。また、「上得意客」の要件を引き下げ、より多数のヘビーユーザーに対して、パーソナライズされたショッピング体験を提供しやすくなる。

 RES MeXは、「RES MeXホスト」と呼ばれるコンピュータに、自動釣銭機、レシートプリンタ、キャッシュドロワーを組み合わせる。このRES MeXホストに、RES MeXクライアントをインストールしたタブレットおよび定置POS端末をLAN/Wi-Fi接続する。RES MeXホストとRES MeXクライアント端末は、1対Nの接続が可能。

 RES MeXクライアント端末は、基本的には遠隔的にRES MeXホストを(画面転送で)使うことになる。従って、POS機能、社内のデータベース連携、インターネット経由のデータ取得などは、一括してRES MeXホストが行う。日本NCRでは、こうした構成のために、タブレットに顧客の重要データが保存されることがないため、セキュリティ面でも優れていると説明している。同社は、タブレットの調達には関わらない。

 データ連携などには、顧客ごとにソフトウェア開発が必要になる。日本NCRによれば、まずは個別のシステム開発を進めるが、将来的には一部をSaaS化していきたいという。

 日本NCR代表取締役兼CEOの諸星俊男氏は、製品・サービス提供者目線で顧客の関係をコントロールするCRMから、消費者目線で製品・サービス提供者を積極的に選ぶ時代が来るとし、こうした時代に、売る側を支援するソリューションを提供していきたいと話した。

 なお、この製品は日本NCRが独自開発したもの。同社は、今後グローバルに展開することも検討しているという。

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