OpenStackによるプライベートクラウド環境の運用をサービスとして提供するMetacloudを、シスコが買収すると表明した。
米シスコシステムズは9月17日(米国時間)、OpenStackクラウドサービスを手掛ける米Metacloudを買収する計画を発表した。
Metacloudが提供する独自の「サービスとしてのOpenStack」モデルでは、顧客のデータセンターに導入したOpenStackベースのプライベートクラウド環境をリモートで運用するもの。同社の顧客には大手グローバル企業も含まれるという。
シスコは同プラットフォームの買収を通じ、クラウドをネットワーク化して「世界最大のグローバルインタークラウド」を形成する戦略(シスコでは「InterCloud」と呼ぶ)を加速させ、モノのインターネットの需要に対応した世界分散型のセキュアなクラウドプラットフォーム形成を目指す考え。
InterCloudは同社が2014年3月に発表した構想で、主要技術パートナーやサービスプロバイダー、クラウドプロバイダーが参加して、OpenStackをベースとしたシスコ独自のクラウドサービス群「Cisco Cloud Services」に基づき標準化を進めているという。
シスコのヒルトン・ロマンスキ上級副社長は、「クラウドコンピューティングはITの様相を激変させた。企業は機動性を高め、コストを引き下げるために、オンプレミス型のIT構成から、プライベートクラウド、パブリッククラウド、オンプレミスアプリケーションを組み合わせたハイブリッドITへシフトしつつある」と指摘。「顧客が多数のクラウドで構成される新しい世界へ円滑に移行するうえで、Metacloudの技術は重要な役割を果たす」と解説する。
Metacloudの買収は2015年度第1四半期に完了する見通し。従業員はシスコのクラウドインフラ&マネージドサービス部門に加わる。
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