ファイルを暗号化し「身代金」を要求するランサムウェアや、PCに内蔵されたWebカメラによる「盗撮」を防止。カスペルスキーの個人向けセキュリティ製品が一新した。
カスペルスキーは2014年10月6日、コンシューマー向け総合セキュリティソフトの最新版、「カスペルスキー 2015 マルチプラットフォーム セキュリティ」を発表した。10月9日から店舗ならびにオンラインストアで販売を開始する。
カスペルスキー 2015 マルチプラットフォーム セキュリティは、Windows向けのセキュリティ製品「カスペルスキー インターネット セキュリティ」、Mac用の「カスペルスキー インターネット セキュリティ for Mac」、Android用の「カスペルスキー インターネット セキュリティ for Android」の3製品をバンドルしたパッケージだ。ウイルス対策機能に加え、不正なWebサイトやフィッシングサイトへのアクセスをブロックし、被害を防ぐ機能などを備えている。
新バージョンではこれらのうち、Windows向けのカスペルスキー インターネット セキュリティの機能を強化した。特に、PC内のデータを暗号化し、復号と引き換え(実際に復号されるとは限らないが)に金銭を要求する「ランサムウェア」や、増加し続けるフィッシングサイト、正規のショッピングサイトを装った偽サイト、オンライン不正送金など、近年国内で増加している攻撃から端末を保護する機能が強化されたという。
例えばランサムウェア対策では、これまで搭載してきたウイルス検知機能や、特定のキーボード操作でロック画面を解放する「不正ロック対策」に加え、PC上のプログラムの動作を常に監視し、レジストリやシステムファイルの改ざんなどが行われた際に元に戻せるロールバック機能を備えた「システムウォッチャー」を強化。ユーザーが作成したファイルについてもバックアップからロールバックできるようにした。
またフィッシングサイト検知に関しては、従来通り、既知のフィッシングサイトのデータベースをクラウド経由で配信するとともに、コンテンツベースのフィッシングサイト検知技術を強化。200種類以上の判断基準に基づいてコンテンツを検査し、新たに登場するフィッシングサイトを検出、ブロックする。パスワードなどをクリップボード上にコピー&ペーストする際の盗み見を防止する機能も追加した。
他に、プログラムがWebカメラにアクセスすると警告をポップアップして注意を促し、Webカメラによる盗撮を防ぐ「Webカメラのぞき見防止」機能や、公衆無線LANに接続しようとする際に「その無線LANの暗号化の強度はどのくらいか」「パスワードを平文で送信していないか」といった項目をチェックし、ユーザーに警告する「無線LAN安全診断」といった機能が加わった。
なお、カスペルスキー 2015 マルチプラットフォーム セキュリティに含まれるMac用とAndroid用ソフトウェアは基本的に現行版となる。カスペルスキー インターネット セキュリティ for MacについてはOS X Yosemite対応を図り、カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidは定期的にプログラムを更新していく予定だ。また、2014年末にはiOS向けのセーフブラウザーのリリースを、2015年にはパスワード管理ソフトのリリースも予定している。
同社代表取締役社長の川合林太郎氏は、「インターネットの世界では、誰もが直接的、間接的に加害者になってしまう可能性がある」と指摘。被害を防ぐのはもちろん、加害者となるリスクを減らし、「グレーな世界をグリーンにしていきたい」と述べた。
カスペルスキー 2015 マルチプラットフォーム セキュリティの価格は、パッケージ版が1年1台ライセンスで4860円、ダウンロード版は同じく1年1台ライセンスで3980円、同一世帯で台数を問わず保護できるプレミアライセンス版は1年で6980円となっている。
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