OneDriveには、ファイルのバージョンを管理する機能はない。正確に言えば、Office文書だけは履歴の管理はできるが、それ以外の一般的なファイルに関しては、古いバージョンのファイルや、(間違って)削除してしまったファイルを(エクスプローラ上で)取り出すような機能はサポートされていない。
OneDrive上にOffice文書を保存すると、それらのバージョンを管理して、古いバージョンのファイルを取り出すことができる。ただしこの操作はWebブラウザでOneDriveにアクセスして行う必要がある。
WebブラウザでOneDriveのサイト(https://onedrive.live.com/)を開いてファイルの一覧を表示させ、Office文書を右クリックして[バージョン履歴]というメニューを実行する。すると該当する文書の現在のバージョンや過去のバージョンが表示されるので、適当なものを選んで復元したり、ダウンロードしたりすればよい。
OneDriveでは、Office文書以外はバージョン管理できない。だが「ごみ箱」機能はあるので、これを使って削除してしまったファイルを取り出すことはできる(削除したOffice文書もこれで復元できる)。OneDriveのごみ箱へアクセスするには、WebブラウザでOneDriveのサイトを開く。するとOneDriveのファイル一覧画面が表示されるので、画面左のメニューから「ごみ箱」を選択する。過去1カ月ほどの削除ファイル/フォルダが表示されるので、そこからファイルやフォルダを選んで復元できる。
OneDriveのごみ箱を使う以外にも、ローカルのWindows OSの「以前のバージョン」や「ファイルの履歴」を使って復元する方法もある。
「以前のバージョン」はWindows 7で利用できる、削除された過去のファイルを取り出す機能である。詳細は以下を参照していただきたい。
Windows 8.1/10の場合は「以前のバージョン」に代わって用意された「ファイルの履歴」機能を使うと、削除されたOneDrive上のファイルを取り出すことができる。詳細は以下の記事を参照のこと。
この機能はWindows 8.1/10でも利用できる。
OneDriveの運用で何らかの問題(同期の失敗など)が発生すると、OneDriveからの通知メッセージが表示されることがある。
この例では、不正な名前のファイル名やフォルダーの競合などが発生している。該当するファイルを削除したり、競合するフォルダーをローカルから削除したりすれば解決できるだろう。
これらは、比較的対処が簡単な場合の例であるが、場合によってはなかなか原因が判明しない障害も少なくない。同期速度が非常に遅い、全く同期されない、いつまでたっても同期作業か完了しない、OneDriveのプロセス(SkyDrive.exeもしくはOneDrive.exe)がCPUをずっと(わずかながらだが)消費し続けていていつまでも0%にならない、などである。
残念ながら、このような事態になった場合の確実な解消方法はない。幾つか挙げると、次のようなものがある。
OneDriveのログなどのデータは以下の場所にあるので、そこにあるログファイルなどを参照すれば、何が問題か、手掛かりになる(かもしれない)。
さらにWindows 8.1なら、OneDriveのトラブルシューティングツールが利用できるので、まずはそれを使ってみるとよいだろう。
OneDriveの設定を「リセット」してみるのも有効な解決方法の1つである。リセットするとOneDriveの全ての設定が一度削除され、再同期作業が行われる。具体的な作業については以下のTIPSを参照していただきたい。
本記事では、OneDriveをWindows 7/8.1/10で利用する場合の機能や注意点を中心に解説してきた。OneDriveを単なる大容量のデータ保存先として使うだけでなく、Windows PCやタブレット、スマートフォンなども含めた環境統合用の手段としてみると、ますますその重要性は高まるだろう。ぜひ活用したいところだ。
■更新履歴
【2017/03/23】Windows 10に合わせて、加筆・修正しました。
【2014/11/27】初版公開。
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