Visual Studio Onlineを使ったクラウドベースのロードテスト
以下では、本稿で使用したスクリーンショットを採取するためにVisual Studio Ultimate 2013のロードテスト機能を使用した。テストにローカルPCを使った場合、組織内のプロキシサーバーの性能や契約している回線の帯域がトラフィックの上限になるため、外部のWebサイトの負荷テストには制限が発生する。
Visual Studio 2013では「Web パフォーマンスとロード テストのプロジェクト」を作成し、その設定画面でVisual Studio Onlineを指定することにより、Azureのデータセンターがある場所からアプリに負荷を掛けられる。Visual Studio Onlineを使用することにより、組織内の帯域が上限になるという問題を回避できるのだ。
しかし、単一のURLに負荷を掛けたいだけであれば、Visual Studio OnlineのWeb UIを使用することにより、これをもっと簡単に実行できる。
テスト対象のURL、負荷テストを実行する最大ユーザー数、テスト時間、思考時間、ブラウザーの比率(IEとChromeを20%単位で設定可能)を設定し、[Test Now]ボタンをクリックすればテストが開始される。このテストでは単一のURLにしかアクセスできないこと以外にも最大同時実行ユーザー数、テスト実施時間が短めに設定されているなどの制約があるが、お手軽という意味ではお勧めだ。
テスト対象のURLはDDoS攻撃と間違えられないように、自身が所有するサイトか、サイト所有者の許可を取った上で行おう。なお、Visual Studio(IDE)での負荷テストにはこのような制限事項はなく、Azureのデータセンターから負荷を掛けることが可能だ。
実行完了すると、上記のレポートが表示される。Visual Studio Onlineで実行したテストのソリューションはダウンロードして、そのままVisual Studioで開くことが可能だ。ソリューションファイルをひな型として、高度な負荷テストを構築することも可能だ。
Visual Studio 2015 Previewではロードテスト機能の実行結果をVisual Studioから直接参照できるようになった。まだプレビューであるため、正式版でどうなるかは分からないが、実行データをVisual Studioから参照できるのは非常に便利だ。ぜひ試してみてほしい。
第1回の記事で紹介したように、Application InsightsではiOSやAndroidアプリのモニタリングや障害解析を行えなかった。これに対応して、マイクロソフトはHotkeyAppを買収し、Application Insightsに統合することでiOSおよびAndroidに対応することを発表した(「Microsoft acquires HockeyApp」を参照)。
早ければ来月にもApplication Insightsと統合されるとのことなので、近い将来Azureポータルで一元管理することも可能だろう。
3回という短い間でNew RelicとApplication Insightsの紹介を行った。本記事はNewRelic、Application Insightsの一部を紹介したにすぎない。ここに紹介していない機能も多くあるし、日々機能強化が続けられている。どちらも無償で始められるので、どちらを使うにしてもサーバー運用情報取得効率化のためにぜひ試してみてほしい。
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