ビットアイル、サービスとしてのOpenStackクラウドなどを発表主要パブリッククラウドとの接続で差別化

ビットアイルとビットアイル総合研究所は、2015年2月3日、OpenStackによるホステッドプライベートクラウドサービス、無償のハイブリッドクラウド実証環境、OpenStackトレーニングプログラムの提供を発表した。

» 2015年02月10日 07時43分 公開
[三木 泉,@IT]

 ビットアイルとビットアイル総合研究所は、2015年2月3日、OpenStack Days Tokyo 2015の開催に合わせ、OpenStackによるホステッドプライベートクラウドサービス、無償のハイブリッドクラウド実証環境、OpenStackトレーニングプログラムの提供を発表した。

24時間365日のサポートで専有OpenStack環境を利用

 まず、ホステッドプライベートクラウドサービスは、ビットアイルのデータセンター内で、OpenStackにより、各ユーザー組織専有のクラウドインフラ環境を構築・運用し、月額料金で提供するもの。同サービスではOpenStack環境の設計支援および構築を実施、さらに運用・トラブル対応のサポートを24時間365日受けられるという。このためユーザー組織は、自社専有環境でありながら、構築後は利用に徹することができる。

 新サービスでは、CanonicalのOpenStack導入・運用支援サービス「BootStack」を採用した。すなわち顧客は、Canonicalのノウハウを活用してOpenStackを利用できることになる。

 ビットアイルがCanonicalを選択した理由は、構築・運用で実績があると同時に、小回りがきくからと、ビットアイル総合研究所所長の長谷川章博氏という。ビットアイルグループにはシステム構築やエンジニア派遣を行うビットサーフがあるが、同社のエンジニアにCanonicalのノウハウを移転、逆にビットサーフからCanonicalに人的リソースを提供するという互恵関係を築いていくという。

 新サービスで当面の顧客として想定するのはEC、広告配信、ゲームなどの企業。当初の料金は個別見積もりだが、今後モデル構成、モデル料金を設定するつもりという。

主要パブリッククラウドとのハイブリッド環境を検証できる

 一方、ビットアイル総合研究所は、OpenStackを活用したハイブリッドクラウド実証環境を、2015年3月より無償で提供すると発表した。ビットアイルが2014年12月に提供開始した「ビットアイルコネクト」を活用する。

ハイブリッドクラウド実証環境の概念図

 ビットアイルコネクトは、ビットアイルのデータセンターと、主要パブリッククラウドとの間の専用線接続をベースとしている。ビットアイルのデータセンターを使うユーザー組織は、この専用線接続の帯域を共用しながら、個別の仮想ルータを通じたプライベート接続が低料金で行えるという。現在、Amazon Web Services(AWS)、NIFTY Cloudに対応しており、まもなくIBM SoftLayer、Microsoft Azureとの接続が実現する予定。レイテンシは最大10数ミリ秒としている。

 実証環境では、ビットアイルの品川データセンターにおいて、仮想マシン数にして最大50程度の専有OpenStack環境およびビットアイルコネクトを無償提供(サービス開始時点ではAWSのみに対応)。APIを通じた統合的な運用など、ビットアイル上の専有クラウドとパブリッククラウドとのハイブリッドクラウドに関し、使い勝手を確認できるようにした。現在のところ、利用期限は設定していない。

ITエンジニア向けにOpenStackの実践的なトレーニングを提供

 また、ビットアイル総合研究所は、「OpenStack基本トレーニングプログラム」の提供を開始すると発表した。これは、ITエンジニアを抱える組織を対象とするもの。ビットアイルのデータセンター内に設置された1人1台のサーバー実機を利用することで、実践的なOpenStackの構築・管理、および活用方法を学ぶことを目的としているという。同プログラムの料金は、例えば2日のコースで30万円から。出張研修にも対応するという。

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