vCloud Air上の仮想マシン環境構築の手順――手元のライセンスを活用するvCloud Air入門(4)(1/2 ページ)

ヴイエムウェアが提供するパブリッククラウド環境「VMware vCloud Air」に、既存OSライセンスを利用して仮想マシンインスタンスを構築、外部ネットワークと接続するまでを紹介します。

» 2015年04月13日 05時00分 公開
[山本祥正富士ソフト株式会社]

連載バックナンバー

仮想マシン環境構築、第3のステップの手順は?

 本連載ではヴイエムウェアが提供するパブリッククラウドサービスである「VMware vCloud Air」(以降、vCloud Air)について、既存VMwareユーザーの視点から、どう使っていけるかを各回ごとに検証しています。第一回では全容を、第二回では、「vCloud Air Disaster Recovery」の使用方法や注意点を紹介しました。前回は、vCloud Air環境にヴイエムウェアが提供するテンプレート集である「vCloud Airカタログ」を使って仮想マシンインスタンスを立てる手順を見てきました。今回は、手元のライセンスなどを使って設定する方法を紹介します。また、簡易ですが、ネットワーク環境のセットアップも簡単に見ていくことにします(ネットワーク環境の詳細な構築方法については、第五回で詳細を紹介する予定です)。

 第三回では、図1のような環境を想定し、vCloud Air環境にvCloud Airカタログを使って仮想マシンインスタンスを立て(仮想マシン1)、ネットワーク周りのセットアップを行うまでを見てきました。

図1 本稿解説で想定する構成

 第4回となる今回は、既存のOSライセンスを使ってセットアップする方法を仮想マシン2で試してみます。図1の環境を構築する三つのステップ

  • ステップ1 仮想マシン1の作成
  • ステップ2 仮想マシン1のネットワーク接続
  • ステップ3 仮想マシン2の作成

のうち、ステップ3の部分です。併せて、第三回で設定した仮想マシン1との接続やEdgeゲートウエイを介した外部ネットワークとの接続についても見ていきます。

ステップ3:仮想マシン2の作成(「Bring Your Own License」での仮想マシン設定)

 仮想マシン2は、vCloud Airカタログを使わずに「スクラッチ」から仮想マシンインスタンスを作成してみましょう。この手順は、ライセンス料込みで提供されるvCloud Airカタログのテンプレートを使用せず、利用者が既に所有しているOSライセンスを利用する場合の手順です。ただし、この方法でWindows OSの仮想マシンを作成する場合は、SPLA(Services Provider License Agreement)ライセンスが必要になりますので、ご注意ください。

図1 今回設定する環境のうち、仮想マシン2の範囲

(1)新しい仮想マシンの登録

 vCloud Airの管理ポータルから「Virtual Machines」タブを開き、「Add Virtual Machine」→「Create My Virtual Machine from Scratch」へと進みます(図2)。

図2 テンプレートの選択画面の下にある「Create My Virtual Machine from Scratch」を選択する

 すると「vCloud Director」の「vApp」画面が表示されるので、ここにインストールメディアのイメージファイルをアップロードします。「組織のカタログ」から「メディアとその他」タブを開き「アップロード」と進み(図3)、アップロードするインストールメディアを指定します。アップロードする際には、事前にプラグインを用意しておく必要があります(下記コラム参照)。

図3 インストールメディアイメージのアップロード

 アップロードが完了したら「vApp」画面に戻り「新規にvAppを構築」を選択します(図4)。ちなみに、vAppとは仮想マシンを束ねるグループのようなものです。

図4 「新規にvAppを構築」を選択する

Column:「VMware Client Integration Plug-in」を導入しておこう

 vCloud AirにISOイメージファイルをアップロードするには、あらかじめ「VMware Client Integration Plug-in」をインストールしておく必要があります。ここで、WebブラウザーにChromeを使っている場合、モジュールをダウンロードできないことがあります。その場合は、Firefoxでアクセスしてみてください。詳しくはhttp://kb.vmware.com/kb/2063694)などの情報を確認してください。


(2)仮想マシン情報の登録

 「新規にvAppを構築」を選択すると、「新規vApp」ウィザードが表示されるので、vAppの名前を入力して、「次へ」を選択します。

 次に「新規仮想マシン」を選択し(図5)、仮想マシンに関する情報を図6のように入力して「OK」を押します。今回は、仮想マシン2の名前を「UBUNTUVM001」としています。

図5 「新規仮想マシン」を選択
図6 新規仮想マシンの情報を入力

(3)仮想マシン構成の登録

 「仮想マシン構成」画面が表示されたら、クローズドネットワーク「<データセンター名>-default-isolated」を選択します(図7)。他の選択項目は必要に応じて設定します。

図7 「<データセンター名>-default-isolated」を選択
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