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» 2015年09月25日 05時00分 公開

Oracle Databaseを例に見るデータベース高速化のポイントとスナップショットを例に探る運用改善のヒントデータベース高速化のいま(3)(3/3 ページ)

[吉村哲樹,@IT]
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自社ストレージOSの強みを生かしたNetApp「All Flash FAS」

ネットアップ システム技術本部コンサルティングSE部コンサルティングシステムズエンジニア 岩本知博氏

 ネットアップ システム技術本部コンサルティングSE部コンサルティングシステムズエンジニア 岩本知博氏は、「データベース環境における検証結果から理解する失敗しないフラッシュ活用法」と題した講演で、同社のオールフラッシュアレイ製品「All Flash FAS」の概要とOracle DatabaseのRAC(Real Application Cluster)構成におけるAll Flash FASのベンチマーク結果を紹介した。

 All Flash FASはひと言で表すと、ネットアップがもともと持っていたストレージアレイ製品「FASシリーズ」のディスクを全てSSD(Solid State Drive)にしたものと考えると分かりやすいだろう。機能や使い勝手はFASシリーズの利点をそのまま継承している。というのも、ストレージOSについては、長く実績のある「Data OnTAP」のアーキテクチャを継承しつつ、フラッシュストレージに特化した実相を盛り込んでいるからだ。

 当然、ネットアップの他製品同様、オンプレミスだけではなく「Microsoft Azure」「Amazon Web Services」「IBM SoftLayer」などの主要なパブリッククラウドサービスとも共通のアーキテクチャで連携できる。加えて、日本のエンタープライズユーザーの要求に合致するよう、「IIJ GIO」などの日本企業での利用実績を多数持つクラウドサービスとも連携可能だ。

「All Flash FAS」においても、ハイブリッドクラウドを前提とした選択肢を提供する

 他にも「他社製品にはないさまざまな特徴を持つ」と岩本氏は語る。

 「オールフラッシュ製品としては、競合他社と比べると後発に当たる。しかしその分、『後出しジャンケン』でさまざまな機能を盛り込むとともに、マーケティング面でもかなり思い切った施策に取り組んだ」(岩本氏)

All Flash FASの「さまざまな機能」

 一般的には高価だと思われがちなオールフラッシュストレージだが、All Flash FASに関しては「容量20Tバイトのミッドレンジ」「容量40Tバイトのハイエンド」の構成において、SAS HDD構成よりもコストパフォーマンスがよくなる価格設定である。さらに「Data ONTAP」の全ての機能オプションを含むライセンスと7年間の保守が当初から全て含まれており、追加投資が不要な仕掛けだ。

 こうした大胆な販売戦略に加え、性能面においてもかなりの自信を持っていると岩本氏は力説する。

 「フラッシュ製品のベンチマークでは、得てしてRead:Write比率やI/Oサイズの違いが見落とされがちだが、All Flash FASはI/Oサイズの違いや書き込みに強いため、エンタープライズ用途におけるさまざまなワークロードで性能を発揮できる。また、時間経過とともに性能のブレが生じる製品も多いが、All Flash FASは高負荷状態が長時間続いても一定の性能を発揮し続けることができる」(岩本氏)

ネットアップによるベンチマーク検証結果。「AFF」とあるのがAll Flash FASの数値。高負荷状態が長時間続いても一定の性能を発揮していることが分かる

 また同社ではこの他にも、一般的なベンチマークツールである「Swingbench」を使ってOracle DatabaseのRAC構成におけるベンチマークを実施するなど、All Flash FASを使った実践的な検証を行っており、その結果を広く公開している。

ネットアップは図にあるようなOracle Databaseの検証環境を構築、ベンチマーク結果や数値などはネットアップ経由で公開している(検証はネットワンシステムズと共同で実施)
ここでは検証結果によって導き出された結論のみを紹介する

 「『Tech ONTAP フラッシュ』をキーワードにネット検索すれば、これら検証作業の結果がヒットするので、興味を持たれた方はぜひ一度参照してほしい」(岩本氏)

 Data ONTAPは豊富な機能を持つストレージOSであると先に紹介したが、例えばこれをデータベースソフトウエアやあるいはその周辺オプションで実行してきたようなワークフローを代替する方法として考えることもできる。

 岩本氏はその例として、本番環境データベースを開発環境向けにコピーすることを想定し、ストレージOS側のコマンドラインから簡単にデータベースの複製(スナップショット)を取得できることをデモで示した。このスナップショットに関しては、先に「ハイブリッドクラウドを前提とした選択肢を提供している」と言及した通り、バックアップやテスト用データとしてクラウドストレージサービスに格納することも可能だ。

 データ整合性が重視される本番環境のデータベースバックアップでは、ログデータなどを含めた厳密なオペレーションが必要であるため、この方法で全てを代替できるわけではないかもしれない。だが、開発環境やテスト環境向けに本番データを複製するといった目的であれば、データベース管理ツールを介さずとも、1行のコマンドで操作できる。

 本稿では、データベースのパフォーマンス改善に関する二つのセッションをリポートした。次回は、PCI接続型フラッシュストレージによるデータベースパフォーマンス改善の情報を紹介する。

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