DNSにおけるUDPの制限って何ですか?DNS Tips

DNSの仕様における、UDPのメッセージサイズやその他の制限について解説する。

» 2015年09月30日 05時00分 公開

 伝統的なDNSの仕様では、UDPにおける問い合わせおよび応答メッセージサイズは512バイトまでに制限されている。これは、IPv4ネットワークにおいて576バイトまでのデータグラム(注1)を受け付けなければならないと定められているからである。

 IPパケットがフラグメンテーションを起こし、パケットがロスした場合や到着の順番が変わった場合などでは追加の処理が必要となる。その回避のために、DNSではこのような制限を設けている。

 メッセージの大きさが制限されていることにより、一度にやりとり可能な情報の量も制限を受ける。ルートサーバーの数が13というのも、実はこの制限に由来したものである。

 このあたりの技術的詳細については、JPRSのDNS関連技術情報ページにおいて解説されているので興味のある方は参照してほしい(注2)

 現在、DNSSECやIPv6の名前解決など、より多くの情報量が必要となるものに対しては、DNSの拡張プロトコルであるEDNS0への対応が必須となっている。

注1:データグラムとは、宛先アドレスなどの制御情報を含むヘッダー部と、データを格納するペイロード部から構成されるデータのまとまりの呼称である。

注2:JP DNSサーバの最大数について(http://jprs.jp/tech/jp-dns-info/2003-07-10-max-number-of-dns-server.html


松浦 孝康(まつうら たかやす)

所属:株式会社日本レジストリサービス(JPRS) システム部

2000年 JPNIC入社、2001年JPRS転籍。レジストリシステムの開発、JP DNSの運用、Anycastの導入に従事。DNSOPS.JP事務局、新gTLD大量導入に伴うリスク検討・対策提言専門家チーム。


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