「Puppet Enterprise」と「Red Hat Satellite」の連携が実現。一方、レッドハットは「Ansible」を買収へITインフラ自動化は誰がリーダーに?

Puppet EnterpriseとRed Hat Satelliteが連携可能に。一方、米レッドハットはPuppetの競合とされるAnsibleの買収を発表し、自社ソリューションへの取り込みを表明した。

» 2015年10月20日 08時00分 公開
[@IT]

 米Puppet Labsは、2015年10月1日(現地時間)、「Puppet Enterprise」の次期リリースの目玉として「Puppet Application Orchestration」を発表。翌週の10月9日には、予告通りPuppet Enterpriseと「Red Hat Satellite」との連携機能を発表した。さらにその翌週の10月16日には、米レッドハットがPuppetの競合であるAnsibleの買収を発表した。ITインフラの管理運用自動化を目指す動きが活発化している。

 Puppet Application Orchestrationは、サーバー構成管理ツールである「Puppet」のモデルベースのアプローチ同様、モデル方式のオーケストレーション方式が導入されており、複雑な環境におけるアプリケーションの導入や管理が格段と容易になるという。

 また、Puppet Enterpriseと「Red Hat Satellite」との連携モジュールについては、既に「Puppet Forge」から入手できるようになっている。このモジュールにより、Puppetが持つシステム構成情報「fact」や「Puppetエージェント」のリポートがPuppet EnterpriseだけでなくSatelliteでも実行できるようになった。

 Red Hat Satelliteは、レッドハットが提供するインフラストラクチャ全体のライフサイクル管理ツール。プロビジョニングから最終廃棄に至るまでの全ての段階を管理できる。Puppet Enterpriseとの統合により、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)とRHEL以外のインフラストラクチャのライフサイクル管理が簡素化できるようになる。またPuppetアプリやForgeモジュールも使用でき、コンピューティングリソースやネットワーク、ストレージの管理に両製品の利点を生かすことができる。

 Puppet Labsでは「これは統合計画全体の端緒にすぎない」とし、今後も両製品の長所を生かしてインフラストラクチャのライフサイクル管理全体をさらに合理化および自動化し、強化することを予定している。

Ansible買収で自社ポートフォリオを強化するレッドハット

 この発表の一方で、2015年10月16日には、米レッドハットは、Puppet Labsの競合であるAnsibleの買収を発表、2016年初旬をめどに買収を完了するとしている。Puppet Labsのソリューションと比較してAnsibleは自動化に際してエージェントが不要である点を強みとしている。

 この買収により、米レッドハットでは自社の運用管理ツール「CloudForms」だけでなく、AnsibleやRed Hat Satelliteも機能強化を図るとしている。

Ansibleが組み込まれたレッドハットの製品ポートフォリオ(米レッドハットのクラウドマネジメント戦略部門のゼネラルマネジャーであるAlessandro Perilli氏のブログ投稿より引用)

 具体的には、CloudFormsでは、パブリック/クラウドを問わずにあらゆるアーキテクチャ的な階層を統合管理できるようにする。また、Ansibleでは、CloudFormsのセルフサービスプロビジョニングポータルを介してITインフラリソースおよびアプリケーションの自動プロビジョニングと構成管理を自動化できるようにする。Red Hat Satelliteでは、セキュリティパッチやソフトウエアアップデートを含むレッドハットのシステム全体のプロビジョニングや構成管理をAnsibleの自動ワークフローによって定義できるようにするという。

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