マイクロソフトとレッドハットがクラウドで提携統合管理、互換性も強化

米マイクロソフトと米レッドハットはクラウドサービスに関して提携すると発表した。.NETに関して協業することも明らかにした。

» 2015年11月06日 15時29分 公開
[@IT]

 米マイクロソフトと米レッドハットは2015年11月4日、クラウドサービスに関して提携すると発表した。マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure(以降、Azure)」で、Linux動作環境の優先的選択肢として「Red Hat Enterprise Linux(以降、RHEL)」を提供する。さらに両社は、プライベートクラウドとパブリッククラウドにまたがって、レッドハットが提供するソフトウエアを利用したアプリケーションの構築・配置・管理などを行うためのツールを提供する。

 今後数週間以内に、マイクロソフトはレッドハットの認定クラウド&サービスプロバイダーに認定される予定。これによって、「Red Hat Cloud Access」のサブスクリプションライセンスを持つユーザーは、RHELの他、「Red Hat JBoss Enterprise Application Platform」「Red Hat JBoss Web Server」「Red Hat Gluster Storage」など、レッドハットが提供するソフトウエアを利用した仮想マシンイメージをAzure上で実行できるようになる。さらに今後数カ月以内に、両社は「Red Hat On-Demand」を提供する予定。これは、「Azure Marketplace」上で利用可能な従量課金のRHELイメージで、レッドハットからサポートを受けられる。

 今回の提携によって、マイクロソフトとレッドハットの製品をまたぐクロスプラットフォームなサポートを統合的に受けられるようになる。同一施設に両社のサポートチームを配置することで迅速なサポートを提供するという。

 また、マイクロソフトのクラウド管理ツール「System Center」で、RHELを管理する既存の機能を拡張し、レッドハットのクラウド管理ツール「Red Hat CloudForms」からAzureのワークロードを管理する機能を提供する予定。さらにAzureや「System Center Virtual Machine Manager」とRed Hat CloudFormsが協調動作するようになり、Red Hat CloudFormsを使って、Hyper-VとAzureのどちらで稼働するRHELも管理できる。

 また、.NETに関する協業についても明らかにした。両社は協力して、「Red Hat OpenShift」やRHELの他、各種レッドハットのソフトウエア製品で、.NETの技術を利用できるようにする。Linux上で動作する.NET Coreの主な開発/参照OSをRed Hat Enterprise Linuxとする。

 .NET Coreは「.NET 2015」で登場した.NET Frameworkのサブセットと位置付けられているもの。.NET 2015自体は、マルチプラットフォームを意識した構成になっており、.NET Coreは、OS XやLinuxといった非Windows環境での.NETアプリケーションの展開を支えるカギとなる機能群といえる(関連記事:「.NET 2015とは何か」)。

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