セールスフォース、業種別ソリューションプログラム「Fullforce」を国内提供開始第1弾として4つを認定

セールスフォース・ドットコムは2015年11月10日、特定パートナーとともに業種別ソリューションを共同開発し、推進するプログラム、「Salesforce Fullforce」を国内提供開始すると発表した。第1弾として4つのソリューションが認定された。

» 2015年11月12日 11時47分 公開
[三木 泉@IT]

 セールスフォース・ドットコムは2015年11月10日、特定パートナーとともに業種別ソリューションを共同開発し、推進するプログラム、「Salesforce Fullforce」を国内提供開始すると発表した。同社はすでに海外で15社、43のソリューションを開発したという。国内における第1弾としては、海外で導入実績のあるソリューションを選んだという。

 米セールスフォース・ドットコムのインダストリー担当エグセクティブ・バイスプレジデント、ジョン・ウーキー氏によると、「どんな産業においても、カスタマーエンゲージメント(顧客との接点づくりと関係構築)の強化が求められている。ますます深いエンゲージメントが必要になってきている」と話した。

 また、セールスフォース・ドットコム日本法人の執行役員 アライアンス本部副本部長である手島主税氏は、多くの企業で、経営変革の継続的な実行は必須になろうとしているが、そのためのIT戦略に手間を掛けられなくなっているジレンマがあるという。

Fullforceは、セールスフォースにおける業種別の取り組みの一環

 これに対応するため、セールスフォース・ドットコムでは共通のアーキテクチャに基づく柔軟な開発基盤を提供し、ソフトウエアベンダー(ISV)による業務アプリケーションの開発を促進するとともに、業種・業界に関する専門知識の豊富なパートナーに力を借りていきたいと話した。

 Fullforceプログラムの目的は、各業種のビジネスを変革するようなソリューションを、迅速に提供できるようにすること。同プログラムには2つの側面がある。セールスフォースのコンサルティングパートナーのなかでも、業種に特化したソリューションの提供実績がある一部企業をパートナーに選定。さらにこれらパートナーの持つ新規性の高いソリューションを認定し、セールスフォースが共同提案を実施する。特に、企業におけるソリューションのグローバル展開を支援していくという。

Fullforceプログラムが目指すもの

 今回、国内における第1弾として、4つのソリューションが認定された。アクセンチュアの保険業向け、デロイトデジタルの製造業向け、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の不動産業向け、パソナテキーラの文教業務向けソリューションだ。

 アクセンチュアの篠原淳氏(テクノロジーコンサルティング本部マネジング・ディレクター)の説明によると、同社が2015年12月に提供開始する保険業界向け業務効率改善ソリューションは、社内の営業担当者と代理店を巻き込んだ、計画、教育、トレーニング、パフォーマンス管理など、営業プロセス全体を対象とし、これらを標準化するものという。「標準ソリューションを使ってもできるが、(今回の認定ソリューションを使えば)さらに早く提供できる」(篠原氏)

 デロイトトーマツコンサルティング新坂上治氏(執行役員 パートナー)は、製造業におけるマーケティング、営業、アフターサービスという一連のプロセスを自動化する同社のソリューションについて説明した。日本の製造業は社内の組織が分断され、保守的な考え方がまん延していることで、世界から取り残されつつあると指摘。ISV製品を活用しながら、他と同じではなく、各企業の創造性が生かせるようなソリューションを提案していきたいと話した。

 プライスウォーターハウスクーパースの小林保之氏(コンサルティング部門パートナー)は、同社の提案する、不動産向けのデジタルを生かしたマーケティング・営業業務テンプレート・外部連携基盤について説明。不動産業では、不動産業者と消費者の情報格差が解消されていないと指摘。これは消費者にとって大きな問題だが、不動産業者にとっても売りたい物件を求める顧客を抽出するのが難しく、歩留まりが悪いと話した。ネット上の情報を生かし、顧客一人一人に最適化したマーケティングを提案する。当初は新築マンションを対象とするが、将来は不動産全般に広げたいとしている。

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