Windows 10で初のメジャーアップデートが提供されたけど……山市良のうぃんどうず日記(52)(2/3 ページ)

» 2015年11月24日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

アップグレードインストールだからトラブルは付きもの?

 古くからのWindowsユーザーなら、アップグレードインストールは予期せぬトラブル発生の可能性があるため、慎重に行うという意識があるでしょう。アップグレードインストールでは、アプリケーションやハードウエアの互換性問題が発生することがありますし、新しいバージョンは、修正されていない既知の不具合や未知の不具合を抱えたままリリースされているかもしれません。

 Windows 10 Pro、Enterprise、Educationを使用しているなら、Windows Updateの詳細オプションにある「アップグレードを延期する」オプションを有効化することで、すぐにはアップグレードせずにしばらく様子を見ることができます。しかし、Windows 10 Homeユーザーは、アップデートが配信されたら、自動更新に任せる以外に選択肢はありません。

 筆者の3台のWindows 10 PCでは、マルウエア対策として「ESET NOD32 Antivirus」を使用しているのですが、Windows 10の新しいバージョンとは二つの互換性問題があり、ESET NOD32 Antivirusはアップグレード後に無効化されてしまいました(画面4)。

画面4 画面4 Windows 10の新バージョンにアップグレードしたところ、「ESET NOD32 Antivirus」が無効化され、代わりにWindows Defenderが有効になった。この問題に始めて対処したときは、試行錯誤だったので1時間ほどかかってしまった

 互換性問題の一つは、ESET NOD32 Antivirusの再インストール、修復、およびライセンスの再アクティベーションで正常な状態に回復することができましたが、もう一つの誤表示問題は未解決のままです。

 Windows 10の新バージョンのダウンロードとインストールですでに数時間、アプリケーション互換性問題への対処でさらに数時間と、1台目のPCが使えるようになるまで半日かかってしまいました。

 また、日本語入力システムとして「ATOK」を利用している場合は、ライセンス情報がリセットされてしまうという問題があるそうです。

 事前予告なしに新しいバージョンの配布が始まるWindows 10は、アプリケーションベンダーにとっても大変だと思います。開発中のビルド(Windows Insider Preview)をテストできる「Windows Insider Program」では、バージョン「1511」と同じビルド「10586」が11月6日に配布されましたが、自社製品の互換性をテストするのに十分な時間はありませんし、ビルド「10586」が正式版になるという公式情報もありませんでした。

 この他にも、「アップグレードが失敗して元のバージョンに戻る」「アップグレードが途中でストップする」「アップグレード後に原因不明のブルースクリーン(BoSD)が発生する」「エクスプローラーの『送る』メニューが消えた」といった問題に遭遇しているユーザーがいるようです。影響を受けたのはごく一部のユーザーで、ほとんどのユーザーは無事にアップグレードできたかもしれませんが、影響を受けた当事者で、PCに詳しくないユーザーだとしたらまさに悪夢です。

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