2015年11月13日、Windows 10で初めてのメジャーアップデートとなる「Windows 10バージョン1511(ビルド10586)」の提供が開始されました。数時間、場合によっては半日やそれ以上、PCを使用できない状態にするアップデート、皆さんはどう感じましたか?
2015年7月末の正式リリース後、Windows 10では初めてのメジャーアップデート(機能アップデート)となる「Windows 10 バージョン1511(ビルド10586)」の提供が2015年11月13日から始まりました(画面1)。
筆者が所有する3台のWindows 10 PCのうち、1台は提供開始のその日のうちに、他の2台には3日後にWindows Updateを通じて機能アップデートが配信されました。いくつか問題はありましたが、3台とも無事にアップグレードできました。
「予約済み」でありながらWindows 10にまだ無料アップグレードしていない筆者のメインPC(Windows 7)の「Windows 10を入手する」アプリは、“既に一億人のユーザーがアップグレードしています”なんて教えてくれたことがあります。
Windows 10へのオンラインでの無料アップグレードを実現し、1億以上のデバイスに対する機能アップデートの配布を可能にするマイクロソフトの配信システムには感嘆せざるを得ません。
一方で、いわゆる“ラストワンマイル”への配慮が欠けているように思えます。機能アップデートは、Windows 7やWindows 8.1からWindows 10への無料アップグレードと同じ、「Windowsの新しいバージョンへのアップグレードインストール」に他なりません(画面2)。Windowsの新しいバージョンは「1511」、ビルド「10586」です。
“Windowsの新しいバージョン”へのアップグレードインストールですから、Windows Update中にはGB単位のインストールソースがダウンロードされることになります。Windows Updateにダウンロードの進行状況は表示されますが、ダウンロードサイズは示されません。再起動を要求された時点で確認したところ、隠しフォルダーの「C:\$Windows.~BT」には3〜5GB(エディションやアーキテクチャによって異なる)のインストールソースが展開されていました(画面3)。
Windows 10ユーザーの全員が、無制限で高速なインターネット回線を利用しているのなら問題はないのでしょう。しかし、不安定で低速なインターネット接続環境であれば、ダウンロードに数時間、あるいはそれ以上かかるでしょうし、その間、ネットワーク帯域を大量に使用することになります。Windows 10は従量課金接続では更新プログラムをダウンロードしないように設定できますが、この設定を知らないで使っている人もいるかもしれません。
ダウンロードが完了し、再起動しただけでは終わりません。アップグレードインストールのためにさらに数時間かかることになります。その間、アップグレードが無事完了するまで、PCを使用することはできません。Windows Updateの再起動を促すメッセージには「インストールには10分から20分ほどかかります」と表示されるので、再起動後に長時間のアップグレードインストールが始まったことに驚いた人も多いでしょう。
GB単位のファイルを自動でダウンロードするのではなく、「後で通知する」などのオプションを示してユーザーが選択できるようにするといった配慮があってもよかったと思います。また、「何日から配信をスタートする」「アップグレードには何時間かかる」といった事前予告もほしいところです。人にはそれぞれ予定や都合というものがあります。
今回のバージョン「1511」の提供開始は、11月2日だとか、11月10日からだとかのうわさもありましたが、公式な事前告知がされることなく、配布開始と同じ日に公式ブログ上で公表されました。
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