今回は、Windows 10の新しい仕様や既知の不具合について、ちょっと気になるもの、思わず目を疑いたくなるものなど、“七不思議”を紹介します。
細かい所に目をつぶるなら、Windows 10は良くできたOSだと思います。でも、細かい所が目に付いてしまうのも事実。それを「マイクロソフトはどうしちゃったんだ」と思う人もいるだろうし、「Windows 10で採用された新しい開発スタイルはこういうものなのだな」と温かい目で見守っている人もいるでしょう。
今回は、Windows 10で採用された新しい仕様や既知の不具合について、日々のPCの使用には特に影響がなくても、ちょっと気になるもの、思わず目を疑いたくなるものなど、本記事を読んだ後、誰かに教えたくなる“Windows 10の七不思議”を筆者がピックアップして紹介しましょう。
Windows 10のスタートメニューの「Windowsアクセサリ」には「電卓」がありません。すでにご存じの方も多いと思いますが、Windows 10にはデスクトップアプリの電卓は存在しません。
その代わりにユニバーサルアプリ(Windows 8.1まではメトロアプリ、ストアアプリ、モダンアプリなどと呼ばれていたものです)版の「電卓アプリ」が提供されます。Windows 8.1のときはデスクトップアプリ版の電卓(calc.exe)と電卓アプリの両方が利用可能でしたが、Windows 10では電卓アプリだけの提供になりました。
Windows 10の電卓アプリはスタートメニューの「すべてのアプリ」の「て」のカテゴリからクリックして起動できます。また、スタートボタンの横の「何でも聞いてください」または「WebとWindowsを検索」と書いてある「検索ボックス」に、「電卓」または「calc」と入力すれば、新しいユニバーサルアプリ版の電卓アプリが起動します。コマンドプロンプトや「ファイル名を指定して実行」に「calc」と入力して起動することもできます。
電卓アプリは、デスクトップ版と同じ「calc.exe」で開始することができるので、例えば、Excelのワークシートに貼り付けられたボタンから起動することも、複雑なプログラムコードで書いていない限りできるはずです(画面1)。
実は、Windows 10でも、従来のデスクトップアプリ版の電卓が利用できる場合があります。それは、企業向けの「Long Term Service Branch(LTSB:固定化モデル)」ビルドである「Windows 10 Enterprise 2015 LTSB」です。Windows 10の「Branch(ブランチ)」の概念については、以下の記事を参照してください。
Windows 10 EnterpriseのLTSB版には、「ストア」や「メール」など標準のユニバーサルアプリは搭載されません。電卓アプリも提供されず、代わりに従来と同じデスクトップ版の電卓が「win32calc.exe」というファイル名で提供されます。こちらの電卓も、「calc」で起動することができます(画面2)。
Windows 10でWi-Fi接続を切断しようとすると「関連付けを解除する」ボタンが表示され、クリックしてよいものかどうか迷うかもしれません(画面3)。
「関連付けを解除する」という表現は、Wi-Fiの接続構成がなくなってしまうようなことを連想させるかもしれません。ですが、Wi-Fi接続を切断するには、このボタンをクリックするのが正しい操作です。単に、英語の「Disconnect」が「関連付けを解除する」と不適切に訳されてしまったのです。
「関連付けを解除する」という表現は、最新のWindows 10 バージョン1511(ビルド10586)で「切断」に訂正されました(画面4)。
Windows 10の更新モデルで「Current Branch for Business(CBB:企業向け最適化モデル)」を選択してしばらくアップグレードを延期している人は、アップグレードするまでは「関連付けを解除する」と付き合う必要があります。Windows 10 Enterprise 2015 LTSBを利用している場合も、将来リリースされる新しいLTSBバージョンにアップグレードしない限り、「関連付けを解除する」のままかもしれません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.