編集部 インターン生としてウォンテッドリーに参加したきっかけは何ですか?
岩永氏 先ほどのWeb制作会社もベンチャー企業も人材募集にWantedlyのマッチングサービスを使っていて、ウォンテッドリーの存在を知りました。実際に自分でもマッチングサービスを使ってみて、それをきっかけにウォンテッドリーのエンジニアと直接会って話すことに。最初は雑談程度だったのですが、話しているうちに、会社のビジョンに共感するようになり、真面目に仕事に向き合っている会社だと確信し、インターン生として働いてみることにしたわけです。
編集部 マッチングサービスは就職活動の一環として利用したのですか?
岩永氏 いいえ。このサービスはもともと、就職支援サイトというよりも、会社との最初の出会いの場を提供することを目指しているサービスです。自分の興味のある仕事の現場で働いている人やチームと交流することを支援してくれるんですね。実際にサイト内には、「採用に応募する」というボタンはなく、「話を聞きに行きたい」というボタンがあって、これをクリックすることによって、気軽に交流を始めることができるんです。
編集部 他に就職活動は行わなかったのですか?
岩永氏 はい。実は私は、皆が一斉に就職活動をすることは意味がないと考えています。また、「仕事をする覚悟もないのに、取りあえず就活する」という学生の意識にも問題があると感じています。
編集部 では、インターン制度自体については、どのように評価していますか?
岩永氏 学生にとって、早い時期から仕事の進め方を知ることは、それだけでアドバンテージになりますし、いわゆる「スマートクリエイティブ」と言われる人たちと実際に一緒に働くことによって、自分自身の視野を大きく広げることができると評価しています。
編集部 インターンとして働くことと、アルバイトとして働くことにはどのような違いがあるのでしょうか?
岩永氏 仕事に対する向き合い方が大きく異なる。これに尽きるでしょう。アルバイトをやるのは、取りあえずお金がもらえるとか、仲間と一緒に楽しく働けるのが動機になること多いですが、インターンは自分のやりたい仕事を見極めるためにやるものだと思っています。
編集部 Wantedlyサイトの岩永さんの紹介インタビューページを見ると、カバー写真はフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏を使っていて、キャッチコピーも「I am Zuckerberg」となっていますが、その真意は何ですか?
岩永氏 日本では、「俺はザッカーバーグだ」というようにビッグマウス的なことを言う人はあまりいないので、あえて、こういう言い方をすることで自分自身が目指す目標のハードルを高めたいと思いました。また、こうした表現の中からウォンテッドリーのビジョンを読み取ってほしいのです。
編集部 就職活動をする学生の皆さんに向けて会社選びのポイントについてアドバイスをお願いします。
岩永氏 会社選びに当たっては、時間を忘れて“フロー”状態になりながら、自分がやりたい仕事にオーナーシップを持って取り組む「心躍る人」が社内にいるかどうかを見極めてほしいと思います。また、自分がやりたい仕事が、その会社の中で「花型」であるかどうかもきちんと見極める必要があるでしょう。
それには、Wantedlyのようなサービスを活用して現場で働く社員と直接話してみること。そしてインターンとして実際に現場で働いてみることが最も近道ではないでしょうか。
編集部 就職活動をする人たちに、どのような言葉を贈りたいですか?
岩永氏 スティーブ・ジョブズ氏の言葉ですね。それは「最高の仕事をするためには、好きなことをやりなさい。それが見つかっていなければ、立ち止まらずに探し続けなさい」というものです。この中にある「好きなことをやりなさい」は、「自分のやっていることを好きになりなさい」が正しい表現だという説もある。
私は「どちらでも構わない」と思っています。好きなことを探して見つかればいいけれど、見つからないとしても、自分のやっていることに誇りを持って好きになれば、結果として大きな価値を生み出すことができるのではないでしょうか。
編集部 ありがとうございました。
本連載では、今後もIT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていくので、楽しみにしていてほしい。
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