私は、もっと女性SEが増えてほしいと思っています。しかし2016年3月現在、残念ながらいまだ女性SEの数は少なく、SE全体の1割くらいのようです。
人数が少ないということは、女性はSEに向いていないのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。私の周りには優秀な女性SEがたくさんいます。例えば、後輩のMさんはキーボード入力がとにかく早く、仕事が丁寧で評判です。プログラムを1行書き間違えてもシステムは動きませんから、SEにとって「丁寧さ」はとても大切な資質です。
では、逆にSEという職種は女性に向いているのでしょうか?
ここで、いつものようにアンケートを見てみましょう。今回は、女性SEの皆さんに協力をお願いしました。
最初の質問は「あなたはSEになって良かったと思いますか?」です。
女性SE100人に聞きました。あなたはSEになって良かったと思いますか?
順位 | 項目 | 票数 |
---|---|---|
1 | そう思う | 28 |
2 | ややそう思う | 38 |
3 | あまりそう思わない | 15 |
4 | そう思わない | 6 |
5 | 分からない/どちらとも言えない | 13 |
全体の3分の2(66票)が「そう思う」「ややそう思う」と、肯定的な答えでした。理由を見て見ましょう。
SEは女性にとって、「やりがいのある面白い仕事」であることが分かります。
SEは女性にとって特殊な職種なのでしょうか。他の職種との違いをアンケート調査しました。
女性SE100人に聞きました。SEの女性が、他の仕事の女性と違う所はどこだと思いますか?
順位 | 項目 | 票数 |
---|---|---|
1 | 長時間労働でハード | 21 |
2 | 男女の差がなく働ける | 14 |
3 | 考え方が「ザ・SE」になる | 10 |
4 | 手に職が付く | 9 |
5 | (いろいろと)たくましくなる | 6 |
6 | 他の仕事と同じ | 5 |
1位は「SEは3K?」でも紹介した「仕事がキツい」ことでした。長時間労働を避けたいのは、男女問わずではないでしょうか。会社や部署や時期によっても大きく異なりますが、SEが長時間労働でキツイ仕事であるのは否定的できない事実です。
「IT業界はブラック」というイメージを払拭できるように、労働環境を改善して働きやすい業界にしたいものです。
2位は「男女の差がなく働ける」でした。具体的には「男性並み、もしくはそれ以上に働ける。一人の戦力として男性同等に扱ってもらえる(31歳女性)」「雑用をしなくても構わない(54歳女性)」などがありました。男女差がないことのプラス面を評価しているコメントです。
「男女に違いはないので、他の職業の女性より責任が重かったり、ワークライフバランスで仕事の比重が多くなると思います(40歳女性)」という意見もありました。責任ある仕事を任されるのは、男女を問わず喜ばしいことであると同時に、それなりの覚悟がいることでもあります。
ちなみに、「男女の差がない」のは「職場による」というのが実情です。任される仕事の規模や昇進のスピードは、まだ男性優位という声がよく聞こえます。また、母数の少なさもあってか、女性管理者はかなり少数です。
4位は「手に職が付く」でした。仕事をするための専門知識や経験があるということですね。手に職を持つと、どのような利点があるのでしょうか。
私の姉は看護師で、子どもを産んだ後も働き続けています。仕事について聞くと、「給料も待遇も悪くない」とニンマリします。看護師の有資格者であることが、良い待遇につながっているのでしょう。女性は、出産や育児と仕事との両立も気になるでしょうから(最近はイクメンも流行っていますが)、手に職を持つのは大事なことだと思います。
3位は、考え方が「ザ・SE」になるでした。
具体的には「常に物事を論理的に考える(36歳女性)」「サバサバしてる(35歳女性)」「理屈っぽい(51歳女性)」など、SEならではの特性が挙げられました。これらは仕事をしていく上で必要な考え方なので、悪いことではないでしょう。
他にも「合理的に考えたり、感情的にならないなど、思考が男性寄りになりがち(41歳女性)」「理詰めで考えることが多い。また、『1』か『0』か、白黒はっきりさせるところがある(46歳女性)」などの意見がありました。
5位の「(いろいろと)たくましくなる」は、「男社会でやっているため気が強くなる(27歳女性)」「忍耐力がある(34歳女性)」などがありました。
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