米グーグル、クラウドイベントでAWS統合管理、TensorFlowサービスなどを発表GCP NEXT 2016

米グーグルは2016年3月23日(米国時間)、同社がサンフランシスコで開幕した「GCP NEXT 2016」初日の基調講演で、Google Cloud Platformは第三段階のクラウドサービスのリーダーだと強調した。同社はまた、マルチクラウド管理ダッシュボード、機械学習サービス、データ分析ダッシュボードサービスを発表した。

» 2016年03月24日 08時30分 公開
[三木 泉@IT]

 米グーグルは2016年3月23日(米国時間)、同社がサンフランシスコで開幕した「GCP NEXT 2016」初日の基調講演で、「Google Cloud Platform(以下、GCP)」は第三段階のクラウドサービスのリーダー」であり、さらに進化すると強調した。

基調講演では、2015年11月、グーグルのクラウドビジネス統括責任者に就任したダイアン・グリーン氏も話した

 この基調講演には、現在グーグルの持株会社Alphabetの会長であるエリック・シュミット(Eric Schmidt)氏も登場。同氏は、当初社内ユーザーのために開発されたGoogleのクラウドは、当初からユーザーが自分のやりたいことだけを考えればいい「ネットワークOS」を実現する取り組みであり続けてきたと説明。その後、社外にGoogle App Engineとして公開したものの、多くの人々にとっては扱いにくいと判断し、戦略を転換して「あなたたちのいる場所に歩み寄ることにした」。

 そこでグーグルは仮想マシンを立ち上げられるGoogle Compute Engineを提供開始した。だが、「これでは管理が面倒になり、コンピュータサイエンス的に退化してしまう」。次にコンテナをオーケストレーションする社内開発の仕組みを提供し、さらにCloud Dataflowなどのクラスタを意識しないサービスを開発したことで、多くの人々にとって適切な抽象化を実現し、当初思い描いていたネットワークOSを生み出すことができたと説明した。

 これがグーグルのいう「第三段階のクラウドサービス」であり、同社はこれを「サーバレスアーキテクチャ」とも呼んでいる。シュミット氏は同アーキテクチャを通じ、自社の考えるクラウドのあるべき姿を率先して実現してきたと強調した。

今後のGCPでは、PaaSレベルの抽象化がベースになるという
GCPのデータ関連サービスでも、データから洞察を得ることにユーザーが専念できるよう、サービスを進化させていくという

 シュミット氏はクラウドの進化を自動車の進化に例え、2020年までに自律運転車が生まれるのと同様に、クラウドサービスでも機械学習APIをさらに充実させるなど、さらに高いレイヤでの抽象化を進めていくと話した。

TensorFlowサービス、AWSも管理できるツール、セルフサービスBIツール

 この基調講演では、マルチクラウド管理ダッシュボードである「Stackdriver」のベータ提供開始、機械学習サービス「Cloud Machine Learning」のアルファ提供開始、データ分析ダッシュボード「Data Studio 360」のベータ提供開始、が発表された。

 StackdriverはGCPとAmazon Web Servicesの各種サービスを統合的に管理できるダッシュボードとして紹介された。モニタリング、ロギング、アラートの機能を提供するという。

 Cloud Machine Learningは、グーグルが2015年11月にオープンソースとして公開した機械学習ライブラリであるTensorFlowをマネージドサービスとして提供するもの。

 Data Studio 360はクラウドベースのビジュアルデータ分析ツール。CSVデータ、Google スプレッドシート、さらにBig QueryをはじめとするGCPのデータ関連サービスのデータからダッシュボードを作成、これをチームで共有できるようにしている。

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