日本マイクロソフトが「SQL Server 2016」の導入支援策を発表。Oracle Databaseからの乗り換えで、ライセンスを特別価格で提供する。
日本マイクロソフトは2016年4月20日、商用リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の最新版「Microsoft SQL Server 2016」(以下、SQL Server 2016)に関する移行支援策を発表した。
同社は、SQL Server 2016が特徴とする「クラウド/ビッグデータ時代に必要なものが、標準機能としてビルトイン済み/追加購入の必要がない」を軸に、他社のRDBMSからの乗り換え施策を積極的に行っていく計画だ。具体的なターゲットは、「Oracle Database」およびOracle Database搭載アプライアンスである「Oracle Exadata」ユーザー。「Oracle Databaseから、SQL Serverへの移行」で、SQL Serverのライセンスを特別価格で提供する。同様の乗り換え支援プログラムは、2016年3月に米国でも発表されている。
特別価格の適用条件は、
という。Oracle Database以外の商用RDBMSも対象になる。
日本では移行支援SIパートナーとして、アクセンチュア(アバナード)、SCSK Winテクノロジ、デル、NEC、日本ヒューレット・パッカード、日本ビジネスシステムズ、日本ユニシス、富士通がSQL Serverマイグレーションサービスを提供する。
SQL Server 2016は、「あらゆる機能をビルトインで提供する」とうたい、特に「インメモリ」「セキュリティ対策」「高度な分析」の機能を強化して刷新される。2016年4月現在、製品候補版とするパブリックプレビュー(Release Candidate 2)を公開しており、無償で試せる。
昨今のRDBMSに望まれる、データをオンラインで更新する「OLTP(Online Transaction Processing:オンライントランザクション処理)」と、データを分析する「OLAP(Online Analytical Processing:オンライン分析処理)」の両面で性能向上を図るべく、1つのテーブルに2種類のデータを持たせてインメモリOLTPとカラムストアを両立する、拡張されたインメモリエンジンを実装。分析機能も、オープンソースの統計解析言語「R」の実行環境である「SQL Server R Services」が標準で組み込まれる。
この他、クエリ中もデータを暗号化したまま実行し、データベースパフォーマンスに影響を及ぼさずに“常に暗号化”する「Always Encrypted(常時暗号化)」機能、クラウドへのストレッチ機能、モバイルBI(Business Intelligence)機能などがSQL Server 2016では標準機能としてビルトインされる。
日本マイクロソフトは、「オプション機能として追加購入する必要がないので、初期費用、運用費用を抑えられる。つまり、ユーザーが実現したいことを最短ルートですることを強力に支援できる」と、このメリットを述べている。
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