セキュリティ関連のキーワード関する“素朴な疑問”を解消する本連載。第8回では、「位置情報」をテーマに、スマホアプリなどが端末の位置情報を取得する仕組みを解説します。
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本文中の表現を一部訂正しました。
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(訂正前)
例えば、携帯電話の基地局からの電波を使った位置情報の取得などはよく行われています。携帯電話の電波はエリアが非常に広く、多くの人が使用しているからです。
(訂正後)
例えば、携帯電話の基地局からの電波を使った位置情報の取得などはよく行われています。携帯電話の電波はエリアが非常に広く、細かな位置の取得はできませんが、多くの人が使用できます。
「位置情報」ってとても便利ですよね。旅行先でよくSNSの「チェックイン」機能を使って、友達に居場所を報告しています。
確かに位置情報はいろいろな用途に使えて便利ですが、一方で悪用の危険性も指摘されています。
前回の記事の最後で、SNSでの「チェックイン」機能など、位置情報を使ったサービスについて解説しました。位置情報は、SNSで友人に旅行の報告ができるだけでなく、商業施設の運営者が近くにいる人に広告を配信するなど、さまざまな使い方が考えられます。
一方で、位置情報が犯罪に悪用されるなど、セキュリティ面での危険性も指摘されています。例えば、家族旅行中にチェックインなどの機能を使うと、自宅が留守であることを悪意のある人間に知られてしまう可能性があります。その結果、空き巣などの被害に遭ってしまうかもしれません。また、女性や子どもに関しては、「自宅や職場の場所が特定されることで、事件などに巻き込まれるリスクがある」と指摘されています。
現在のGPSは非常に精度が高いため、GPSから取得した緯度や経度を基に住所を特定することは難しくありません。
「アップロードされた写真から位置情報が分かる」と聞いたことがあるのですが、本当ですか?
本当です。GPS機能をオンにしていた場合、写真に位置情報が付加されることがあります。
位置情報に関して、あまり意識されないのが「写真」です。最近では携帯電話だけでなく、コンパクトカメラなどでも、撮影時に位置情報を付加できるものが増えています。このとき、位置情報は写真の「EXIF情報」に記録されます。撮影した写真ファイルを調べることで、この情報を確認することができます(図1、図2)。
この位置情報は、うまく活用すれば「撮影場所を忘れてしまったときに、後から確認する」というような便利な使い方もできますが、逆に「写真をブログなどにアップロードした結果、意図せず他人に位置情報を知られてしまう」といったリスクもあります。
自宅内で撮影した写真などを公開する際は、こうした危険性があることを認識し、不要な位置情報は削除するようにしましょう(最近のブログシステムなどでは、自動的に位置情報を削除してくれるものも増えています)。
次ページから、GPS以外を用いた位置情報の取得の仕組みを解説します。
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