IE 11は、古いIE向けWebサイトの表示を支援するために「互換表示」と「エンタープライズモード」を搭載しています。Windows 10 バージョン1511で、このエンタープライズモードが拡張されたことはご存じでしょうか。従来のエンタープライズモードとの挙動の違いにも注意が必要です。
マイクロソフトは2016年1月12日(米国時間)以降、サポート期間中のWindows OSで利用可能な最新バージョンの「Internet Explorer(IE)」だけを技術サポートとセキュリティ更新サポートの対象にしました。これにより、Windows 7以降ではIE 11だけがサポートされることになりました。
IE 11への移行を促進するため、2014年4月にリリースされた更新プログラムによって、Windows 7とWindows 8.1のIE 11に「エンタープライズモード」が追加されました。Windows 10の標準Webブラウザは「Microsoft Edge」ですが、Windows 10にはIE 11も搭載されており、最初からエンタープライズモードの機能が組み込まれています。
IE 11のエンタープライズモードとは、IE 7またはIE 8をエミュレートする“互換モード”のことです。管理者は、事前に用意した「サイトリスト」への参照を「グループポリシー」でクライアントのIE 11に配布することで、サイトに応じてエンタープライズモードで表示させることが可能になります(画面1)。
例えば、Windows 10のIE 11の場合、標準モードのユーザーエージェント(UserAgent)は次のようになっています。
UserAgent: Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; WOW64; Trident/7.0; .NET4.0C; .NET4.0E; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.30729; .NET CLR 3.5.30729; rv:11.0) like Gecko
同じPCでIE 11のエンタープライズモードを有効にすると、ユーザーエージェントは次のようになります(上がIE 7モード、下がIE 8モード)
UserAgent: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; .NET4.0C; .NET4.0E; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.30729; .NET CLR 3.5.30729)
UserAgent: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; .NET4.0C; .NET4.0E; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.30729; .NET CLR 3.5.30729)
IE 11にはIE 5〜IE 10のドキュメントモードで表示する「互換表示」機能もありますが、エンタープライズモードは管理者がグループポリシーで制御できることが最大の特徴です。また、エンタープライズモードも互換表示も、ユーザーが手動で切り替えて利用できます。
IE 11のエンタープライズモードの機能や設定方法については、以下の公式ブログの記事が参考になるでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.