マイクロソフトは、EA契約でのSQL Serverの既存ライセンスを「Azure VM」で再利用できるようにした。SQL Serverワークロードを長期間実行するような使い方の顧客も、クラウド移行によるコスト削減効果が期待できるという。
米マイクロソフトは2016年5月26日(米国時間)、同社と「エンタープライズアグリーメント(EA)」を締結している顧客を対象に、SQL Serverの既存ライセンスを「Microsoft Azure Virtual Machines(Azure VM)」に移行して運用できるようにしたと発表した。
EAでSQL Serverのライセンスを所持している顧客は、そのライセンスをマイクロソフトが公認する「BYOL(Bring-Your-Own-License)」と呼ぶ“ライセンス持ち込み型のギャラリーイメージ”としてAzure VMで使用できるようになる。これらのイメージはAzure上での従量課金が発生しない。また、既存のSQL Serverライセンスとともに使用できる一連の新しいギャラリーイメージにもアクセスできるようになる。
これまで、Azure VMへのSQL Serverの配置は、Azureギャラリーで入手できる既存の幾つかのSQL Serverイメージを使うか、独自のイメージをAzureへ持ち込むしかなかった。今回の施策により、SQL ServerをAzure VMに移行するためにカスタムイメージを作成する必要がなくなり、既存のSQL Serverライセンスも再利用できるようになる。また、従量課金の対象外となることで、SQL Serverワークロードを継続的に実行する、あるいは長期間実行するような顧客に対しても、クラウド移行によるコスト削減の効果が期待できるという。
マイクロソフトは、「マイクロソフト公認のBYOLイメージを利用して、ポータルからGitHubを介してAzureクイックスタートテンプレートの豊富な自動化機能を活用することもできるようになる。例えば、ストレージの構成、トランザクション処理への最適化、データウェアハウジング、自動バックアップ、自動パッチングなどだ。さらに、SQL Server VMをギャラリーから直接、あるいはAzure PowerShell、Azure CLI(Command Line Interface)、Azure SDKといったツールを使ってデプロイできるようにもなる」と述べている。
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