IDCジャパンが「2016年国内データセンター管理者調査」の結果を発表した。一般企業がデータセンターを外部やクラウドへ移行する動きが加速する一方で、受け入れ側の事業者の競争が激化しつつあるという。
IDCジャパンは2016年7月26日、「2016年国内データセンター管理者調査:運用課題と投資動向」の結果を発表した。
同調査は、国内のデータセンターを、製造業などの一般企業が所有する「企業内データセンター」と、IT企業や通信事業者などが所有する「事業者データセンター」に分類した上で、それぞれの管理者に対して設備投資の状況や運用上の課題に関するアンケートを実施したもの。
調査結果によると、今後の投資額について、「今後5年間に投資が増える見込み」と回答した企業内データセンターの管理者は27%にとどまったのに対し、事業者データセンターの管理者は半数以上の57%を占めた。
企業内データセンターへの投資が抑制傾向にある要因について、同社は、第3のプラットフォームの発達などにより、一般企業でIT資産を事業者データセンターやクラウド環境へ移行する動きが加速したためと分析する。同時にこうした動きによって、一般企業のインフラを受け入れる必要性が生じたことから、事業者データセンターへの投資額は大きく増えると見られている。
ただし投資額の増加に伴って、事業者データセンターを所有する企業、すなわちクラウドサービスプロバイダー間の競争は一層激しくなるとも予測。今後、管理者だけでなく経営側視点においてもデータセンターの省エネ性能の向上に取り組み、コスト競争力を強化することが重要だとしている。
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