「Windows環境の自動データ複製&冗長化システム」が完成しました。
障害発生時のテストも忘れずに行いましょう。一号機から二号機へプライマリーサーバを切り替えても、WindowsマシンからiSCSIボリュームとしてマウントしてある「Dドライブ」が正しく見えるかを確認します。
プライマリーサーバである一号機を操作し、pcs statusコマンドでステータスを確認します。
# pcs status Online: [ iscsi-ha1 iscsi-ha2 ] Full list of resources: Master/Slave Set: ms_drbd_r0 [res_drbd_r0] Masters: [ iscsi-ha1 ] Slaves: [ iscsi-ha2 ] Resource Group: iscsi portbk (ocf::heartbeat:portblock): Started iscsi-ha1 res_ip (ocf::heartbeat:IPaddr2): Started iscsi-ha1 iscsi-target (ocf::heartbeat:iSCSITarget): Started iscsi-ha1 lun (ocf::heartbeat:iSCSILogicalUnit): Started iscsi-ha1 portunbk (ocf::heartbeat:portblock): Started iscsi-ha1 PCSD Status: iscsi-ha1 (10.0.0.1): Online iscsi-ha2 (10.0.0.2): Online
一号機が停止したと仮定し、リソースを二号機側に移動させます。切り替えのコマンドは以下の通りです。
# pcs resource move iscsi
リソースが二号機へ正しく移動したかを、pcs statusコマンドを確認します。
# pcs status Full list of resources: Master/Slave Set: ms_drbd_r0 [res_drbd_r0] Masters: [ iscsi-ha2 ] Slaves: [ iscsi-ha1 ] Resource Group: iscsi portbk (ocf::heartbeat:portblock): Started iscsi-ha2 res_ip (ocf::heartbeat:IPaddr2): Started iscsi-ha2 iscsi-target (ocf::heartbeat:iSCSITarget): Started iscsi-ha2 lun (ocf::heartbeat:iSCSILogicalUnit): Started iscsi-ha2 portunbk (ocf::heartbeat:portblock): Started iscsi-ha2 PCSD Status: iscsi-ha1 (10.0.0.1): Online iscsi-ha2 (10.0.0.2): Online
Masters: [ iscsi-ha2 ]とあるので、正しく移動したことを確認できました。リソース移動後には、以下のコマンドも忘れずに実行します。
# pcs resource clear iscsi
Windowsマシンで「Dドライブ」へアクセスします。リソースを二号機へ切り替えましたが、Windowsマシンからは変わりなく「Dドライブが見え、正常に読み書きできる」ことを確認できました。
今回は、DRBDとiSCSI接続を組み合わせて、Windows環境の自動データ複製&冗長化システムを構築する手順を解説しました。比較的安価かつ簡単に本システムを構築できることがお分かりいただけたと思います。
なお、冗長化するセカンダリーサーバはパブリッククラウド上の仮想マシンを用いてもよいでしょう。詳しくは、第10回「災害対策システム構築に向けた、パブリッククラウドの仮想マシンの準備手順」で解説しましたので、併せてご覧ください。
さまざまなIT関連業務経験ののちに2013年よりインフラエンジニアとしての業務に携わる。また、DRBDを始めとするオープンソースソフトウェアのサポート業務にも携わっている。ツイッターでDRBDの情報発信も行っている。TwitterID:@ksawada1979。
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