「Windows 10を入手する」アプリについて長々と思い出話を語ってきたのは、もう“本当にお別れの時がきた”からです。マイクロソフトが2016年9月20日(米国時間)にリリースした更新プログラム「3184143」をインストールすることで、「Windows 10を入手する」アプリはPCから完全に消えてなくなります。
「Windows 10を入手する」アプリは無料アップグレード期間が終了した2016年7月29日をもってその役目を終えたわけですが、プログラム本体は「C:\Windows\System32\GWX」フォルダに残っていました。無料アップグレード期間の終了後、しばらくは「無料アップグレードキャンペーンは終了しました」という通知を表示していましたが、最近は活動を停止したようで、タスクバー上のアイコンも表示されなくなっていました(画面2)。
更新プログラム「3184143」はWindows Updateを通じて、Windows 7/8.1に配布されていますが、2016年9月22日(日本時間)時点では「オプションの更新プログラム」という扱いであり、手動で選択しない限り、インストール対象にはなりません(画面3)。
Windows Updateに表示されるこの更新プログラムに関する説明は、他の更新プログラムと同様にいつもの定例文なので、これが「Windows 10を入手する」アプリを削除する更新なのかどうかを判断することはできません。
Windows 7の場合、更新プログラム「3184143」のインストール後、再起動する前の時点で既に「C:\Windows\System32\GWX」フォルダは消去されていました(画面4)。
Windows 8.1の場合は、「C:\Windows\System32\GWX」フォルダは再起動後に削除されていました(画面5)。この辺りの挙動の違いを見ると、Windows 7とWindows 8.1ではWindows Updateの仕組みが違うんだなぁと感じます。そして、Windows 10はもっと違うんだろうなぁとも。
残っていても、もう活動を停止している「Windows 10を入手する」アプリですが、本当にいなくなってしまうのはちょっと寂しいという人がいたら、残念なお知らせがあります。更新プログラム「3184143」はアンインストール可能ですが、アンインストールしても「C:\Windows\System32\GWX」フォルダは戻ってきませんでした。
「Windows 10を入手する」アプリに残っていてほしいというなら、更新プログラム「3184143」を非表示にしてインストールをブロックしましょう(これは冗談です。推奨しません)。更新プログラム「3184143」は過去に配布された7つの更新プログラムを置き換えるものです(詳しくはサポート技術情報を参照)。「Internet Explorer(IE)11」にもWindows 10の無料アップグレードに関する何かしらを仕込んでいたようなので、更新プログラム「3184143」できれいにしてもらった方がよいかもしれませんね。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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